モスラ(1961)のレビュー・感想・評価
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4Kリマスターがほんとにキレイ!
懐かしのモスラ!!
4Kリマスターがほんとにキレイ!
モスラの羽の鮮やかな色合いはもちろん、
南の島のいかにも作り物だけど
結構頑張ったジャングルの様子や
人間に捕まって見世物にされちゃう
「小美人」の衣装など、怪獣映画の中でも
華やかな色合いが多用されてる映画だけに
4Kリマスター大成功でした。
中盤の見せ場幼虫モスラが東京に向かって
街を破壊しながら這って進んでゆく。
庵野監督はこれをやりたくて「シン・ゴジラ」に
「蒲田くん」を登場させたのでは?
と思ってしまうくらい。
時代が時代ですから現代のCGで
何でもできてしまう映画に慣れていると
そりゃ、模型と言ってしまえばそれまでですが
そこは当時の特撮の手わざの妙に
思いを馳せて観て頂きたいですね。
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
他の怪獣映画、ゴジラや平成ガメラ等と違って
何となく全体的に軽やかなんですね、モスラって。
これは「午前十時の映画祭」の解説YouTube
「事務局オフタイム」の中でも語られますが
音楽がそれまで「ゴジラ」を手掛けてきた
伊福部昭さんでは無く、朝ドラで一躍認知度が上がった
古関裕而さんであるため曲調が軽やか~~。
ザ・ピーナツの唄う「モスラの唄」の効果もあって
ファンタジー色が強く、怪獣だけど女性的な空気感がある。
また出演者も志村喬に香川京子といった
黒澤作品の常連俳優に加えて
コメディー要素を強化する芸達者なフランキー堺と
ストーリーの荒唐無稽さ(笑)を補完する布陣。
突っ込みどころが有り過ぎの飛んでもな話ですが
劇中でインファント島の実態を目にした
学者や新聞記者が「ここはこのままそっとしておこう。」
と語り合うシーンなどはなんだか良いなあ~~。
地球の上には人間が下手に手を加えない方が
良くなることは本当に多い。
怪獣たちはその象徴なんでしょうね。
小学生の息子も楽しめたみたい
午前十時の映画祭にて鑑賞。
デジタルリマスター版なんで、結構綺麗なんですよ。
それでね、模型だと分かるんだけど、それでも迫力有るんですよね。
凄い技術ですよね。職人技と言うべきでしょうか。
それから、この映画は約60年前の作品ですけど、当時の渋谷ってあんな感じなんですね。
そこから、約20年前の『ガメラ3』までの間に目覚ましい発展を遂げているのが分かります。
最近、久しぶりに渋谷行ったら更に発展していて、驚いたけど。
あと、今回は小学生の息子と観たんだけど、何回かちょっと声を出して笑っていました。
笑えるシーンを入れるバランスも、良い具合だと思います。
フランキー堺さん若い!
いつものリバイバル上映シリーズで初モスラ単独Ver.見てみました!
ガメラとかシン・ゴジラとか色々たまに見てたのでだいぶ昔の特撮はどんな感じかな〜と思いつつ、
えっと、脚本破綻してるけどこれ有りなのかな?と素朴な疑問(笑)だってインファント島の原住民さん達、小美人2人を調査隊の悪徳隊長一派がさらう時、少なくとも10人くらい住民が撃ち殺されてるのに
彼女達が舞台で見世物にされる時は、彼女達は檻から出て歌手さながらしれーっと楽しそうに歌い出すし(いえモスラのメロディーだけは知ってましたが)
原住民の生き残りの人達はバックダンサーとして軽やかに踊ってるしー!!!いや、仲間殺されてるじゃんこの人達に!!いいの?そこはいいの??この脚本大丈夫?製作陣の誰も疑問に思わなかったの〜??と気になりました。
一応、脅かされている設定なのかな〜??と思うことにはしましたが。。そして彼女達、自分達が拉致されたらモスラが物を壊しながら来るって分かっていたけど、船の転覆や街の破壊を憂いてはいたけど、
とりあえず街破壊されすぎー!!東京タワーは真っ二つだし外国の都市ひとつ壊滅状態ー!!!そりゃ怪獣ものは皆こうなるんですけど、
モスラは幼体でも成獣でもまーー銃も空からの爆撃も戦車からのロケットランチャーも効かない効かない(笑)
また60年くらい前の作品だから特撮レベルは仕方ないんですけど、完璧にトミカが飛ばされてる感が~。。でも!今の映像技術を見てるからそういうのが言えるわけで、逆にここから現代の技術への進歩が感じられて良かったです。
久しぶりに黒電話のダイヤルを回す場面を見れて懐かしいの一言!!たまにリバイバル上映見るのは、その頃の時代背景が分かっていいですね。
小美人の2人の途中の舞台衣装に着物やお姫様ドレスがあって、身長30cmの人用に洋服店が特注したんだろうか?!などあれこれツッコミどころ満載でしたが、
幼体も成獣も可愛いぬいぐるみを作って少しずつ動かしたり飛ばして一コマずつ?撮影したのかなぁと想像してみたり。
あ〜キングギドラとかも見たくなりました(笑)
リバイバル上映ありがとうございました!
観ての通り1933年RKO版の元祖キングコングの見事な翻案です
南海の小島で原住民が崇める巨大生物を見世物として持ち帰るが、暴れだし大騒動となる
この物語の骨格を巧みに翻案してあります
日米合作で全世界同時公開という当時としても現代に於いては考えもできない程のスケールの製作公開規模です
当時、東宝特撮が世界の注目を集める強力なコンテンツ力を持っていたことが伺えます
つまり世界最高峰の特撮スタジオである証明です
米国側のパートナーはコロンビア
RKOは既に倒産しておりキングコングの版権をどこが持っていたのか定かではありません
コロンビアであったのかも知れません
でなければ、全世界同時公開ですから、絶対キングコングが原案だとどこかから指摘されたはずです
本作の日米合作の時にキングコングの版権を東宝は買っていたのか、やはり後から指摘をうけてライセンスを買ったものかは分かりません
いずれにしても東宝はキングコングのライセンスを莫大な金額であっても買っています
だから、それならいっそのことキングコングそのものを作ろうとなったのか、東宝でキングコング登場作品が本作の後に2作製作されたという流れのようです
ザ・ピーナッツのモスラの歌はとにかく最高でこれがもしなければ本作がここまでヒットしなかったかも知れません
特撮は芸の細かい演出が多く見応えがあります
今回改めて発見したのは、吹き飛ばされたジープが橋と共に川を跨ぐ太い水道管にぶつかっていくのですが、ぶつかってからそこから水が激しく吹き出し始めるめていることです
あまりのことに口があんぐりしました
クライマックスのニューカークシティ編は日米合作の契約事項であったにも関わらず、予算とスケジュール超過で日本側が勝手にカットして日本編で完結させようとしたことでクレームが当然つき、急遽追加したものとのことです
なのでクォリティーが一段落ちるのは惜しいです
これをもっと最初から最大の見せ場として、予算も時間も全力を傾けて撮影していれば、このあとの東宝特撮の世界展開も違ったものになっていたであろうと思います
重ね重ね惜しいことをしたものです
改めてみてシン・ゴジラに大きな影響を与えていることが分かりました
モスラの形態変化、防衛隊の多摩川での特車(戦車)部隊の防衛線形成、米軍の介入(原子熱線砲)
これらは皆本作から由来してそれぞれ反映されています
キングコングこそは、ありとあらゆる怪獣映画の始祖です
このジャンルで儲けさせて貰っているのですから、キチンとライセンスも払って原作の優れた翻案を製作したということは素晴らしいことだったと思います
聞屋的表現では若い女を皆“美人”と書く。
放射能の影響を調べるため、国立総合核センターに収容された玄洋丸の乗員4人。彼らの証言により無人島であると思われていたポリネシア海域のインファント島に原住民がいることがわかった。子供向けに作られたはずなのにかなり難しい序盤の設定。ロシアとアメリカを足したような名のロリシカ国が島の近くで核実験をやっていたなんて・・・しかもロリシカ国と日本の合同調査団は、ロリシカ側のネルソンは新聞記者を排除し、得た資料はネルソンを通さなければならないという。いわゆる検閲だ。それだけ放射能の影響を秘匿したかった核保有国の欺瞞が見られるという内容。
吸血植物に襲われた言語学者の中条(小泉博)は小美人によって助けられ、コミュニケーションをとろうとし、「核実験は行わない」の言葉に喜んでくれた。日本の隊員たちも新聞記者も小美人のことをそっとしておいたのに、ネルソンはその後に再上陸して彼女二人を見世物にするために捕獲したのだった。そして日本の劇場で公開。小さな馬車が吊られ、登場したザ・ピーナッツによる「モスラの歌」が披露されるが、幻想的で不思議な気分にさせられたものだ。
なぜだか奥多摩湖から出現したモスラ。横田基地から青梅街道を経て渋谷近郊に進行するモスラに対するは、警察やら消防隊やらMPやら防衛隊。幼虫のままでも凄い破壊力のモスラは全長180メートル、体重1万2千トンだ。防衛隊の攻撃も空しく、モスラは出来たばかりの東京タワーへ上り、破壊してしまう。そして糸を吐き、蛹と化すのだった。成虫になる前に小美人をインファント島へ帰さなければ・・・と、現場ではロリシカ国から供与された原子熱線砲で焼き尽くそうとするのだ。
そんな折、小美人を連れたネルソンはロリシカ国へと到着しており、ニューアークシティを成虫モスラが襲い、多大な被害を与えるのだ。この時期にアメリカ、コロムビア映画も全面協力しているところが凄い。ミニチュアセットもニューヨークを模して作られており、国際色豊かな作品となっていた。最後はいかにも平和的な解決法。核実験反対の意志も感じられつつ、核を内包した強力兵器を使うというのも若干矛盾している気がするが、ラストの印象よりも全てザ・ピーナッツに奪われてしまった感が残る。
幽玄にして華麗な守護神誕生!
DVDで鑑賞。
原作(発光妖精とモスラ)は未読です。
モスラのデビュー作。世界同時公開を目指したためか、これまでの東宝特撮作品に秘められていた南海への憧れや畏怖を全面に押し出し、幽玄且つ華麗な物語が展開されました。
このモチーフは後の「キングコング対ゴジラ」やモスラが登場する諸作品、「マタンゴ」などに受け継がれ、東宝特撮作品におけるスタンダードのひとつとなった感有り。
モスラの行動理由(悪徳興行師ネルソンに連れ去られた小美人の救出)が明確に描写された点が、他の怪獣映画と一線を画すものだったのではないかなと思いました。
その行動故にもたらされる徹底的な破壊は人類の自業自得によるもので、何も言えなくなりました。ネルソンが傲慢の果てに銃弾に倒れるシーンで溜飲が下がりました。
人間の愚かさやエゴを抉り出すと云う特撮作品ならではのテーマを扱いながら、陸・海・空を三段変化しながら縦横無尽に進撃するモスラの猛威を大迫力のスペクタクルシーンで描いていました。しなりが見事な羽ばたきによって舞い上がる屋根や街路樹、戦車に人、倒壊するビル群の描写がシネスコ画面いっぱいに展開されて大興奮。マネキンが並ぶショーウィンドウに突っ込む自動車など、芸の細かさが炸裂していました。
ドラマ部分では何を差し置いても主演のフランキー堺が最高の演技。喜劇役者ならではのコミカルさと、演技派の重厚さを兼ね備えた稀有な俳優さんだなと思いました。
特撮ファンとしては、小泉博演じる中條博士に目を向けるべきかと…。本作の続編と云う設定の「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」でも同役で出演していました。
小美人を演じたザ・ピーナッツも忘れ難い。美しい双子姉妹デュオが奏でる「モスラの歌」が秀逸。個人的に彼女たちの歌う「モスラの歌」がいちばん上手いと思うなぁ…。モスラの巫女でありながら人類のエゴのために酷い目にあってしまう彼女たちの姿に、南海の原住民の歴史を垣間見るようでした。
[余談]
特撮ファンとして特筆すべき点が2つ。
以下、徒然なるままに…
○特撮作品で初めて行われた東京タワーの破壊
幼虫のまま東京を蹂躙したモスラが、繭をつくるために東京タワーをへし折りました。ナイトシーンなので、街灯りの仄かさがとても幻想的な雰囲気を演出しているところがミソ。当時は周りに高層ビルなんて無くて、東京タワーのみが一際高く屹立している風景に時代を感じました。
極端な爆破演出を避けて、モスラが吐いた糸に当たって墜落した自衛隊のヘリが起こす火災が静かに燃え広がっていく様子が、まるでモスラの変態を祝福する火のダンスのようで、本作は他の特撮映画とは異質だな思いました。
○メーサー兵器の原点である「原子熱戦砲」の登場
モスラの繭を殲滅するために、ロリシカ国が特別に貸与した兵器が「原子熱戦砲」でした。光線の光度が高いために、攻撃時にはサングラスを掛けると云う描写がリアルでした。
「ゴジラ×メカゴジラ」で語られた「東宝特撮ユニバース」により、「原子熱線砲」が「メーサー殺獣光線車」開発の元になったと公式に設定され、ファンの念願が果たされました。
パラボラ兵器ってなんでこんなにカッコいいんだろう…
※追記(2019/06/02)
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の興奮冷めやらぬ中「空の大怪獣ラドン」を観たので、自然と本作を観返す流れになるのは特撮ファンとしてもはや当然の帰結でした。
同作では徹底的に「女王」のような描かれ方がされていましたが、本作ではそこまででは無いものの多分に女性的な要素を全面に押し出した描写となっていると改めて感じました。
※追記(2021/12/18・午前十時の映画祭11)
4Kデジタルリマスター版を鑑賞して―
兎にも角にも映画館で本作を観られたこと自体が嬉しかったです。加えてこんなに精細な映像で観られるなんて…
リマスターに当たって発掘された当時のステレオ音源から再現された序曲は、発売されているサウンドトラックで存在は知っていましたが、本編に加えられた状態で聴くと、これから大作が始まるぞ、と云う高揚感に包まれました。
冒頭の東宝マークからしてブルーレイとは比べ物にならないくらいの鮮明さで、目を見張りました。
モスラが東京を進撃する幻想的なナイトシーンや、成虫が衝撃波で東京やニューカーク・シティを破壊するシーンがくっきりと浮かび上がり、とてつもない迫力でした。
※以降の鑑賞記録
2019/06/02:DVD
2020/10/16:Blu-ray
2021/12/18:4Kデジタルリマスター版(TC西宮OS)
※修正(2023/04/07)
平和の象徴モスラと人間の愚かさの対比
東宝の怪獣でゴジラに次ぐ人気を誇るモスラのデビュー作。1961年の作品。
『ゴジラ』も『空の大怪獣ラドン』もシリアスな作風だが、『モスラ』は怪獣映画にファンタジー風味をプラス。
怪獣でありながら平和の守護神であったり、身長30cmの小美人の登場(ザ・ピーナッツがハマり役)など、他の怪獣映画には無い魅力。
卵〜幼虫〜繭〜成虫と変化し、特に東京タワーに作った繭から孵るシーンは、東宝特撮永遠の名シーン。
ドラマ部分では人間の愚かさが際立つ。小美人を使って一獲千金を目論むネルソンがそれだ。
(勿論、フランキー堺、小泉博、香川京子の主役3人は善人だが)
欲望の赴くままに行動し、やがて自ら身を滅ぼす。
怪獣映画だからと言って侮れない教訓だ。
平和の守護神でもやはり怪獣、その巨体が動くだけで町は大パニック。目的は破壊ではなく、小美人の救出。
洋上の進撃、ダムからの出現、町中の蹂躙…怪獣映画の醍醐味は健在。
常連・伊福部昭とは違う古関裕而によるドラマチックな音楽も注目。
有名な“モスラの歌”共々、東宝特撮怪獣映画の中でも忘れがたい名作。
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