劇場公開日 1997年11月1日

「尾野真千子が可愛い!」萌の朱雀 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0尾野真千子が可愛い!

2020年10月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 しばらく家族関係が把握できずにいたけど、一応ばあちゃんの孫にあたる。みちると従妹関係になるので恋愛感情がわくものだと思っていたのにそうはならない。彼らは一つの家族として、支え合っていたのだ。

 まるで一家の離散を表現するかのように、また、こうして村の過疎化が進むのかと思うと、ノスタルジックでもあり、悲しい物語でもある。工事が中断したままのトンネルと10年後に閉鎖されたトンネル。鉄道でもバスでもいいから開通すれば村も発展するのに・・・という悔しい思いも伝わってくるのです。

 バスはJRの雰囲気があるけど、しっかりと「国鉄」と書いてあった。多分、大黒柱となる孝三(國村隼)も戦争経験があるのだろう。寂れゆく中にも希望はあるし、何といっても星空が綺麗だし、空気もうまい(タバコ吸ってたみたいけど)。流れゆく年月も描きながら、季節はずっと夏でした。春には桜も優雅で美しいところだと思うけど、春を描いていたら違った印象になるのでしょう。

 ずっと田舎暮らしでもいい!と皆の思いは同じなのに、トンネル工事中断のために孝三の心も気落ちしたまま。やがてふらりと山を下りて行く・・・

 冒頭では風にそよぐ森林の映像。『殯(もがり)の森』と一緒だ。故郷の家、家族、そして村人たちと祭りの様子。日本の原風景とも思える映像には懐かしささえ感じるのです。栄介もみちるももっと大人になれば、また戻ってきて夏のひとときを楽しむのだろう。20年後の田原家の物語も知りたいものだ。

kossy