もう頬づえはつかないのレビュー・感想・評価
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1979年の風と共に去りぬ
早稲田大学の女子学生の物語
1979年の青春
桃井かおりの演技は圧倒的で伝説になったのも当然
主体性を持たず、身勝手な二人の男に流されていくだけだった女性が、物語の最後は確固とした人格を持つ女性に成長しています
風にそよぐカーテンを後にアパートの部屋を去っていく彼女の爽やかな表情はそのテーマが雄弁に表現されている素晴らしい演出でした
正に風と共に去りぬです
かすみ草を買って、退去するアパートの部屋に飾る
白いかすみ草の花言葉は、清らかな心、幸福、感謝
あなたは心の清らかな人だった、幸せになってね、感謝してます
東陽一監督の演出力は確かです
前作のサードでは団塊世代の喪失感を、その下の世代を使って表現していましたが、本作ではそうな回りくどいことはなく、素直な原作の映画化であったと思います
むしろ今度は団塊世代の役者を使って、下の世代の青春を演じさせています
前作のサードで下の世代をダシにつかった埋め合わせなのでしょうか?
いや政治運動に明け暮れた団塊世代からの、このような青春でありたかったとの素直な憧れ
そのように見えました
21世紀の青春と1979年の青春
違いがないのかもしれません
アパートがワンルームのマンションに変わっただけのようにも思えます
でも決定的に違うのはコミュニケーションの濃密さです
何をするにも電話して、直接合わなければ、始まらないのです
それも今すぐ会う、それ程の濃密な関係なのです
どうかすると21世紀の青春はSNSで終わってしまう時代
ましてコロナ禍で合うこともままならない
電話で話すこともない
始まる前に既読スルーで終わっているのかも知れません
21世紀の若者は1979年の青春を憧れるのでしょうか?
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