劇場公開日 1979年12月15日

「もう男には」もう頬づえはつかない yep11016さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0もう男には

2025年1月14日
iPhoneアプリから投稿

ほぼ5点、

おそらく30年ぶりに再見、
リアルタイムではないが高校時代のATGもしくは東陽一は観ないわけにはいかない存在だった
「サード」にこの「もう頰づえはつかない」も素晴らしい

この時代の桃井かおり(無論今もだが)は誰にも表現できない存在と演技をしてた
話し方、服の着こなし、歩き方、目つき、、、、、、
どの作品を観ても桃井かおりに惹きつけられる
撮影当時20代後半、まり子は女子大生だが彼女の不安定(男がいないと生きていけないと思われてきた世の中、時代)から奥田瑛二と森本レオの行き当たりばったりな時間の過ごし方に翻弄される(あの20歳をすぎた頃のどうしていいかどうにもならない時間と気持ちはとても理解できる、この3人の時間として)
まり子は何を思いどういうことを決断するのか、その微妙で曖昧で本人すらわからない気持ちの揺れ方を桃井かおりが表現している、彼女が放つ台詞よりもその表情や視線、少しだけ下に下げた顎の位置、
東陽一監督はその動きを台詞じゃなく表現している

どうしたらいいかわからないまり子が自分の部屋の蛍光灯の薄暗い光の中でまんじりともせず横たわるシーンはまり子の気持ちを私たちはじっと見てどうにもならない時間と気持ちを共有する

yep11016