劇場公開日 1951年11月23日

「夫婦ものは普遍性がないからおもしろくないし、時間がたつと陳腐化する気がする。」めし Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0夫婦ものは普遍性がないからおもしろくないし、時間がたつと陳腐化する気がする。

2013年11月16日
PCから投稿

悲しい

幸せ

前に一度見ていたのですが、すっかり忘れていて、また見てしまいました。

かなりの名作なのに、なんで忘れていたか考えると、リアルで多少暗い作品だけに、現在とは状況が違う、自分とは違うと思えて、映画に入れず、おもしろくなかったからだと思います。

だいたい現在「めし、ふろ、ねる。」(当時は内風呂がなかったので、これが「めし」になることが多かったようです。)などとやっていたら、まず夫婦関係は成り立たない。

昭和20年代の夫婦は画一的で、どこもこんな感じだったのだろうし、だからうけたのだろうけど、現在は状況がまったく違うので、かなり違和感がある。

特に夫婦は、愛というより、生活、子供、社会的慣習などによって結びついている場合が多く、周りの環境にものすごく影響を受け、変化するし、それは現在と昭和20年代とはまったく違う(現在では、形があるかどうかさえ微妙)。

これに、個人の性格の強さや、経済状況などの力関係、それに考え方や、価値観の違いなどが加わるので、千差万別、同じようなものは、ほとんどないくらいに崩れているような気がする。

だから、現在では、まずこの映画のようになるとは思えないし、感情移入しろと言われても、ちょっと苦しいものがある。

もっと貧乏を強調するか、子供が出てこないと、名作なのかもしれないけど、おもしろくない。

Push6700