「原節子」めし 抹茶さんの映画レビュー(感想・評価)
原節子
人間が生活していくという事の実相が基本的かつ普遍的なレベルで感情をベタつかせる事なく、丁寧に描かれていた。
妹夫婦の旦那さん(小林桂樹)の「泊まりたい人は自分で布団を敷くことです」という一声からのショットがたまらない。
障子のガラスの向こうからのアングルで、障子の竪子が画面を真っ二つにして、両脇には襖、正面は障子、下は畳という全てが四角形で構成された窮屈さを感じさせる画面の中で女達がバタバタと動く様は圧巻だった。
しかし、そうした見事なカメラや細やかな演出や作品のテーマやなんかを全て飲み込んでしまう程に原節子の存在感が凄い。声を出して笑うシーンには思わず背筋が寒くなりゾッとした。
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