水戸黄門(1978)のレビュー・感想・評価
全6件を表示
【”加賀百万石のお家騒動に、輪島の御陣乗太鼓が響き渡る。”東野黄門に映画版が有ったとは、吃驚!昭和の名優勢揃い鉄板勧善直悪時代劇降誕である。水戸黄門シリーズは、世界に誇る日本の時代劇なのである】
ー 私にとって、水戸黄門と言えば、東野黄門である。当然、助さんは里見浩太朗さんであり、格さんは大和田伸也さんである。後年、里見浩太朗さんが水戸黄門に”昇格”された時には、時代の流れを感じたモノである。
私が時代劇が好きになったのは、間違いなく再々々放送で、夕方に見た東野黄門シリーズのお陰である。
但し、今作は超チビッ子だったので観てはいないというか、存在自体知らなかったが、とても面白く鑑賞した。
好きなキャラクターは、ヤッパリ風車の弥七である。後年、同様のキャラで飛猿が出てきたが、(で、好き。)どうも、私はあのような陰で黄門を支えるキャラが好きなのである。ー
◆感想
・レビュータイトルに書いた通り、加賀藩の行方を案じつつ、じっと”忍”の位置に居る奥村作左衛門をナント、世界の三船敏郎さんが演じ、彼の娘由美を無茶苦茶美しい栗原小巻さんが演じている。
しかも、由美は男装しているために、性別を確かめるために胸元を改めるシーンまで映されるのである。(ホント、スイマセン。ビックリしたので。)
・偽黄門さんたちも、TVドラマで結構描かれていた記憶がある、今作のハナ肇、植木等、ダニーケイじゃなかった谷啓も良い味を出しているのである。
・当然、藩の行方を案じる武士として、村井主水(安倍徹:この方は何度、時代劇で切られたのであろう。悪役の名優である。)に寝返った振りをして、動向を探る藩士、石川隼人を演じるのは、竹脇無我さんである。私は、この方が悪役を演じた姿を見たことが無い。早逝が惜しまれる方である。
<流れはシンプルであるが、それで良いのである。チョビッと成長してからは、お家騒動が描かれると”お殿様がダラシナインジャない?”などと実は思っていたが、観ていて面白いのだから、それで良いのである。
今作でも、水戸黄門一行が、こっそり加賀藩を後にするときに、キチンと奥村作左衛門、彼の娘由美、そして由美の想い人石川隼人が、御一行を送るのである。
はっはっは。(チビッ子には”かっかっか”と聞こえたモノである。)
水戸黄門シリーズは、世界に誇る日本の時代劇であると、私は思うのである。今度は、1957年版も観てみようっと。>
人生楽ありゃ苦もあるさ
永久保存版水戸黄門
お祭りだ!豪華キャストの漫遊記!
ドラマ「水戸黄門」放送開始10周年記念作品。
テレビ大阪「ドラマセレクション特別版」を録画して鑑賞。
加賀藩において、跡目争いに託つけた悪巧みが進行中との知らせに、お馴染み水戸黄門一行が立ち上がる!
アニバーサリーに相応しく、ゲスト・キャストにバラエティ豊かな面子を揃えており、まさにお祭り騒ぎな作品でした。
加賀藩城代家老役に三船敏郎、その娘役に栗原小巻、ニセ御老公一行にハナ肇・谷啓・植木等などまさに豪華絢爛。
物語としては、前半・後半に分かれていました。前半はニセ御老公一行が起こした騒ぎを描くコメディ編、後半が城内に蔓延る悪人どもを成敗するメインストーリーでした。
クレージーキャッツの面々と繰り広げたコミカルな前半部分も楽しかったですが、本作の本当の見どころは後半に詰め込まれていました。筋からすればあっても無くても良いような三船敏郎の殺陣シーンは、本人たっての希望としか思えませんでしたが、その太刀筋、緩急の効いた動きに惚れ惚れ…。ふとした瞬間、黄門様を食いそうになる存在感が圧巻でした。
クライマックスにはもちろんドラマでお馴染みの印籠のシーンも。是非ともスクリーンで観てみたいなぁ、と云う衝動に駆られました。だってめちゃくちゃ贅沢じゃないですか?―普段テレビで観ている光景をスクリーンで堪能する…。これが劇場版の最大の醍醐味と云うものでしょう!
[余談]
私にとって黄門様役と云えば、佐野浅夫や石坂浩二、里見浩太朗が演じていたものでした。東野英治郎は悪役のイメージが強くて、黄門様が悪人に見えて仕方ありませんでした。
ですが、呵々大笑と云う四字熟語がぴたりと当てはまるあの笑い方は、東野英治郎にしか出せない味わいがあるように思えて、いつしか東野黄門が好きになっていました。
全6件を表示