劇場公開日 1988年1月15日

「伊丹十三研究には必須映画」マルサの女2 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 伊丹十三研究には必須映画

2025年8月25日
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鑑賞方法:映画館

連続で見ると1に比べると手抜きに見える。。
1年後なのであまり練られてなかったのか。舞台は宗教法人という当時も思った先見性。ところが前作ほど盛り上がらないがこれはわかる。伊丹映画の面白さは観客に伝えたい情報がメインでことさら誰かを描いているわけではない。だから宮本信子でなくてはいけなかった感もある。まあそれが面白いのだけど。前作は春夏秋冬に別けて、音楽を季節跨ぎでブチっと消し、すべてが感情なくグイグイ進む面白さ。だいたい半分くらいでマルサに入っていくという厚み。対権藤に税務署職員時代から始まってマルサで対決するというスパンもよかった。職場(組織)が変わって狙う相手もワンクラス上(J2からJ1へみたいな)になる面白さ。逆にその前半戦がないのでたっぷりひとつの相手に時間を使うと情報の詰め込みがてきなくて必然的にキャラクターに深入りせざる得なくなる。そこはあまり得意な監督ではない。となると割と凡庸なことになる。その凡庸さにあわせてか前田米造も普通になっている。なのでどうしていいかわからない伊丹十三映画がみえる。そしていくつかヤバい要素が混在していて、三國連太郎も洞口依子の収まり方は相当変な娯楽映画の感じで面白い。

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ONI