「幻惑のキノコ」マタンゴ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
幻惑のキノコ
変身人間シリーズ番外編。
DVDで2回目の鑑賞。
嵐で遭難し、南海の孤島に漂着した7人の若い男女が遭遇する、およそこの世のものとは思えない恐怖の体験…。そこから見えて来る人間の本性とエゴ、マタンゴの恐ろしさが織り成す物語に引きつけられました。まさに現代の幻想譚!
極限状況下で繰り広げられるドラマはとても見応えがありました。生き残ろうと必死になる様は滑稽ながらも、生々しさを伴ってとても真に迫って来ました。理性と本能のせめぎ合いが壮絶極まりない。妖艶な魅力を放つ水野久美が秀逸でした。
生き残るためにエゴの塊になっていた人々が、果てしない欲望の発露の先に到達した場所が、終わりの無い虚無的なものだなんて皮肉な話だなと思いました。確かに流されてしまうのは容易い。全てを捨てるのも容易い。しかし、そこを耐え抜くことが出来るのも、人間の持つ強さではないのかな、と…。
マタンゴの造形が秀逸でした。この質感は、CGでは出せない、実物だからこその存在感ではないかなと思いました。そしてお声はバルタン星人に流用されましたとさ(笑)
[余談]
「ハワイの若大将」と同時上映だったのは有名な話。相反する2作品ですが、どっちかをメインに観に来た人たちはどう云う気分になったのでしょう。ギャップが激し過ぎる(笑)
※鑑賞記録
2021/08/15:Blu-ray
※修正(2021/08/15)
喋ってはいませんでした。不気味な声で笑っているだけでしたよ。様々なパターンの笑い声が使われていましたが、その中のひとつがバルタン星人の声に流用されたようです。
しゅうへいさん、マタンゴ!声があって喋っていたんでしたっけ?忘れてます。今見ても見応えあるんですね。「ハワイの若大将」と抱き合わせでしたか!確かに若大将シリーズは何度も見たことあります。