マタンゴのレビュー・感想・評価
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きのこランドにようこそ
初鑑賞 1963年8月公開作品 同時上映『ハワイの若大将』 見事な隠と陽 監督は『ゴジラ(1954)』『空の大怪獣ラドン』『地球防衛軍』『ガス人間第一号』『モスラ(1961)』『キングコングの逆襲』の本多猪四郎 脚本は『空の大怪獣ラドン』『地球防衛軍』『ガス人間第一号』『キングコングの逆襲』『ゴジラ対ヘドラ』の馬渕薫 粗筋 東京を離れヨットでちょいと船遊びと洒落込んだ青年実業家笠井雅文と愛人で歌手の関口麻美 同行したのは笠井産業社員の作田直之に笠井お気に入りの若手推理小説家吉田悦郎 さらに笠井の友人で大学助教授の村井研二と婚約者の相馬明子 そしてヨットのスキッパー兼クルーの小山仙造 お約束の嵐にあい機材は損傷し使い物にならずマストが折れてしまったヨットは霧深い南の無人島にたどり着く 島の反対側には古い難破船があり中の資料によればキノコは食べてはいけないらしい 湧水はあるが食料になるようなものは島にはなく鳥さえ寄ってくることはなかった 冒頭唯一日本に生還してきた村井研二の背中から 彼の証言という形で マタンゴとはママダンゴというキノコから拝借したネーミング あの「マタンゴ島」はマタンゴというキノコの島 マタンゴを食べた人間はマタンゴ人間になってしまう 他の動物にしても同じことが言えるだろう だから鳥も寄りつかない 鳥がキノコを食べるかどうかは知らないけど とにかくなかなかマタンゴの怪物が登場しない それが良い それこそホラー オープニングクレジットで天本英世の名前が出るが顔も出さないし声も出さない 芝居は人影だけという稀有なケース マタンゴ人間たちの着ぐるみは全て別俳優だろう アメリカならゾンビだろうがキノコっていうのは日本人らしい発想かもしれない 正直このては決まってゾンビ系ばかりで正直飽き飽きだったので半世紀以上昔の作品だが逆に新鮮で今の技術でリメイクしても良さそう 驚きなのは「マタンゴ島」漂流メンバーの俳優陣が土屋小泉以外御健在という事実 ちなみに久保明は『あばれはっちゃく』シリーズの先生役でお馴染みの山内賢の兄 最後のオチも良い 良作 63年の邦画だと考慮すれば上出来の部類 人間らしさってなんでしょうね 人間らしさを追求したら人間らしさが失われるのではないでしょうか? 配役 城東大学心理学研究室助教授の村井研二に久保明 村井の教え子でが婚約者の相馬明子に八代美紀 笠井産業の社長を務める青年実業家の笠井雅文に土屋嘉男 歌手で笠井の愛人の関口麻美に水野久美 笠井産業の社員の作田直之に小泉博 新進の推理作家の吉田悦郎に太刀川寛 臨時雇いの漁師の小山仙造に佐原健二 難破船内の黒い影に天本英世 警察関係者に草間璋夫 警察関係者に日方一夫 警察関係者に手塚勝巳 東京医学センターの医師に熊谷二良 東京医学センターの医師に岡豊 東京医学センターの医師に山田圭介 東京医学センターの看護婦に林光子 東京医学センターの看護婦に一万慈鶴恵
特撮も美術もすごいけど?
マタンゴそのものはクリーチャーデザインの好みで意見が別れそうだけど、ホコリまみれとかカビとか、随所に観られる特撮・美術は普通にすごいと思う。 脚本は「惑星からの物体X」状態… 何ならさっさとやられちゃった方が楽なのでは?と思う位に鬼気迫ってくる。 「放射能」って単語が出てくる辺りも、やはり「ゴジラ」と同じく社会派な感じがするし、この監督や円谷に用事がある人しかほぼ観ないだろうから、充分過ぎると思った。 けど、トラウマ映画だ、って聞いてたからハードル上がっちゃってたので、そこまで怖くはないかな〜、正直そこまでは厳しいかな〜(笑)とも。
怪作
なかなか興味深い。無人島でそれぞれのエゴがむき出しになってくるところがいい。 翻ってマタンゴとして生きるのも案外悪くないんじゃないかとも言えますねえ。 「東京にいてもおんなじだ」の文明批評がもう少し刺さるとSFとしてもっとよかったね。
孤島に男5人に女2人の"アナタハン"状況で遭遇するキノコ怪人はドナタハン?? やめられないとまらないキノコの恐怖!
先日のCSのリマスター放送にて初視聴。 特撮映画としての本来の見せ場であるマタンゴはほぼ終盤のみに回し、その代わりに全編通して男女七人の(夏物語ではなく)エゴと欲望の相剋を描いた制作側の英断が光る人間ドラマ。 水野久美さんの分かり易いファムファタール的悪女と、八代美紀さんのバタ臭い(失礼)純朴な美しさとのコントラストが素晴らしい。 怪談仕立ての作風になっているのもユニークで、マタンゴになりかけのマタンゴ怪人はさながら昭和版お岩さんか。
21世紀の目で観ると、本作はゾンビ映画のはしりにも見えます
ちょっと残念な出来と言わざるを得ません 基本怪人映画シリーズの系譜ですが、かなり毛色が異なります 単独企画でなく、1963年のお盆映画のメイン ハワイの若大将の引き立て役としての企画が優先されたとしか思えません 基本お盆に合わせた怪談話 それを若大将の客層に合わせるという作りです 序盤の遭難する前の快走するヨットのシーンは1960年の太陽はいっぱいを思わせる美しい映像です 登場人物は当時話題になりつつあったみゆき族を モデルにしています 衣装もアイビールックではないものの、フレンチテイストのおしゃれなもので目を惹きます 誘惑に勝ってこそ人間でいられるのだが、それは東京でも同じことだ それがテーマなのですが、21世紀の目で観ると、本作はゾンビ映画のはしりにも見えます 脚本が今二つで登場人物の誰にも感情移入出来ないのが残念なところです しかしラストシーンはしっかりこのお話は怪談話だと押さえてくれました
タイトルなし
キャラが薄くて男性陣が覚えられない。キノコの化け物が出るのが最後の最後で眠くなった。
キノコを食べることでキノコ人間になるのだけど、それ以前に胞子を吸い込んで肺にキノコが生えそうで怖かった。キノコ人間になる前にアレルギーが出そうだ。
その昔の怪獣大百科や筋肉少女帯の歌などで気になっていたのだけど全くつまらない映画だった。
怪作
久々に観たが、当時の技術では十分なレベルのホラー作品。 食ってはいけない禁断のキノコと空腹に耐えられず、人間同士がいがみ合う混乱描かれて、リメイクされても十分な内容ではないだろうか。 ラスト独白する主人公にキノコが……で終わるシーンは後を引く。 古い作品で、特撮を安っぽいと捉える人にはお勧めしないが、一度観てもらいたい作品と思う。
幻惑のキノコ
変身人間シリーズ番外編。
DVDで2回目の鑑賞。
嵐で遭難し、南海の孤島に漂着した7人の若い男女が遭遇する、およそこの世のものとは思えない恐怖の体験…。そこから見えて来る人間の本性とエゴ、マタンゴの恐ろしさが織り成す物語に引きつけられました。まさに現代の幻想譚!
極限状況下で繰り広げられるドラマはとても見応えがありました。生き残ろうと必死になる様は滑稽ながらも、生々しさを伴ってとても真に迫って来ました。理性と本能のせめぎ合いが壮絶極まりない。妖艶な魅力を放つ水野久美が秀逸でした。
生き残るためにエゴの塊になっていた人々が、果てしない欲望の発露の先に到達した場所が、終わりの無い虚無的なものだなんて皮肉な話だなと思いました。確かに流されてしまうのは容易い。全てを捨てるのも容易い。しかし、そこを耐え抜くことが出来るのも、人間の持つ強さではないのかな、と…。
マタンゴの造形が秀逸でした。この質感は、CGでは出せない、実物だからこその存在感ではないかなと思いました。そしてお声はバルタン星人に流用されましたとさ(笑)
[余談]
「ハワイの若大将」と同時上映だったのは有名な話。相反する2作品ですが、どっちかをメインに観に来た人たちはどう云う気分になったのでしょう。ギャップが激し過ぎる(笑)
※鑑賞記録
2021/08/15:Blu-ray
※修正(2021/08/15)
人生初のトラウマ経験
この映画は小学生の頃に見てトラウマになりしばらくキノコを食べる事が出来なかった。 とにかくマタンゴの造形がグロい。 自分の中では遊星からの物体Xに匹敵するグロさだ。 あれから繰り返し何度も見続けている飽きる事がない。 初めて見た時の鮮烈さは死ぬまで忘れる事は無いだろう。
最狂のキノコ料理をどうぞ
東宝特撮1963年の作品。 お馴染みの怪獣モノやSFモノではなく、「美女と液体人間」「ガス人間第1号」などに代表される“変身人間”モノ。 その一連の作品の中でもズバ抜けた異色作であり、映画史に名高い怪奇カルトの傑作。 「トラフィック」「オーシャンズ11」のスティーヴン・ソダーバーグは、幼少時に見たトラウマからずっとキノコが食べられなかったそうな。 病院に収容されている一人の青年が、悪夢の体験を語り出す…。 若い男女7人でヨットで太平洋を航海中、嵐に遭い、流れ着いた無人島。 カビとキノコの異様な島で、人が居たような痕跡も。 難破船。 人が一人一人消えていった事を記した日記。 不気味なキノコの標本。 やがて食糧も尽き、7人はキノコを… 奇っ怪!恐怖! キノコを食べ、人がキノコ人間と化す! 人間でも動物でもない、第三の生物、キノコ人間=マタンゴ。 その造型はB級モンスターチックだが、マタンゴと化している途中の姿はマジでおぞましい。 何処かの国の放射能実験の影響とされる問題のキノコ。 食すと、神経がイカれ、人間性を失い、サイケデリックな幻覚も見る。 まるでそれは、今芸能界に氾濫している“アレ”そのもの。 そして勿論言うまでもなく、何より恐ろしいのは、ドス黒い人間模様。 和やかで楽しい雰囲気から一転、漂流中はピリピリムード。 漂着してからはさらに渦を巻く。 島という限定空間。追い詰められた極限状態。襲い苦しめる飢餓。欲とエゴの剥き出し。… マタンゴは、醜い人間の本性に他ならない。 作品によってドラマ部分が弱い東宝特撮だが、本作は秀逸。 薄気味悪く、陰湿で、アダルトな雰囲気も漂わせ、本多監督の演出もキャリアベスト級。 サポート的な円谷特撮も高クオリティー。 人間社会や道楽ボンボンたちへの皮肉・風刺もたっぷり。 東宝特撮常連たちが怪演・狂演を披露。中でも、水野久美の冷笑は妖しく戦慄! ラストもまたショッキング。 バルタ…いや、マタンゴの不気味な笑い声が耳にこびりつく。 もう何度も見てるつもりだが、何度見ても強烈&クレイジー&キチ○イ! 半世紀以上も前にこれほどの作品を作った東宝特撮の力量にKOされる。
しいたけ栽培キットも怖い!
とても小さい時に、祖母と近所の映画館で見たのだと思います。怖かったです! キノコ類は好きですが、先日、友人から貰った「しいたけ栽培キット」は、怖くて自分は育てられず家族に頼みました。小ぶりのしいたけがみっちりと密集して生えるのです!マタンゴ思い出してしまいました。でも、このしいたけは味も香りも濃厚でとても美味しいです。 ちなみにこの祖母は、濡れ場もあるような映画にも平気で孫を連れていきました。そもそも映画の内容はどうでもよく、仕事の合間の気晴らしだったのでしょう。「牡丹灯籠」も祖母と見ました。怖くて夜中にお手洗いに行けませんでした。
なぜかCGより魅力あり。
特殊映像の職人技に感動します。CGより特殊映像の方がストーリーに合ってる気がします。リアルでもあり懐かしさもあり内容も斬新で当時は海外でも特殊映像映画が人気で円谷プロダクション先駆けになった映画だと思う。
天本英世も出てますが
ぱっと見ただけでは判りません。 公開当時 映画館で見た人に聞くと 『怖すぎて思い出すと寝られなかった』と 言われた位 インパクトのある作品であり、 シュールな話 大画面であの映像と笑い声聞かされたら 確かに当時の子供は寝られないかな・・・・
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