「【”エロイムエッサイム。復讐するは我にあり!”島原の乱で徳川幕府に討たれた天草四郎が、妖魔となりて歴史上の人物を次々に魔界に引き込み徳川に復讐していく物凄い熱量の伝奇映画。】」魔界転生(1981) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”エロイムエッサイム。復讐するは我にあり!”島原の乱で徳川幕府に討たれた天草四郎が、妖魔となりて歴史上の人物を次々に魔界に引き込み徳川に復讐していく物凄い熱量の伝奇映画。】
ー 私、本は何でも読むのだが(含む、マルキド・サドなど禁書)、学生時代に伝奇小説に嵌った事が有る。その中でも、国枝四郎の未完の大作「神州纐纈城」と、今作の原作である山田風太郎(彼の方の忍法帖シリーズはほぼ好き。)の「魔界伝説」は特に好きである。
妖艶で、伝奇モノなので歴史を如何様にも改編できる山田マジックに嵌ると、ホント大変なんだよね。-
■ものすごーく簡単な粗筋
島原の乱で徳川幕府に討たれた天草四郎(沢田研二:物凄いオーラがあるし、美しき妖魔としても完璧である。)が妖魔となり、非業の死を遂げた細川ガラシャ夫人や宮本武蔵(緒形拳)、挙句は柳生但馬守宗矩(若山富三郎)まで魔界に引き込み、徳川に復讐を果たして行く物語である。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・天草四郎は夫への恨みを抱いて(ホントは違うよ!)焼け死んだ細川ガラシャ夫人を妖艶なる美人として魔界転生させて、将軍綱吉を色香で骨抜きにしていくシーンは、演じた佳那晃子さんの美しさとエロティックさが全開で、魅入られてしまう。ゴックン。
まあ、山田風太郎の原作自体が、妖艶優美なる風合なので良いのだが・・。
・ストーリー展開は、映画では故にシンプルなのだが、宮本武蔵VS千葉真一演じる柳生十兵衛との一騎打ちなどという夢の対決迄観れてしまうのである。凄いなあ。
・又、病魔に倒れた柳生但馬守宗矩に対し、”息子の十兵衛と剣を交わさぬか。”などと、天草四郎は囁き、ナント柳生但馬守宗矩も妖魔になってしまうのである。
■この作品で、何といっても凄いシーンは炎が燃え上がる江戸城の中での、柳生但馬守宗矩VS柳生十兵衛のシーンである。
現代の消防法では絶対に認められない、業火の中繰り広げられる親子の一騎打ちは、ホント凄いのである。役者さんは大丈夫だったのであろうか。
<そして、柳生十兵衛が父を斃した後に、天草四郎は自らの首を抱えながら、業火の中で更なる復讐の言葉を吐き、笑いながら去っていくのである。
今作は、島原の乱で徳川幕府に討たれた天草四郎が、妖魔となりて歴史上の人物を次々に魔界に引き込み徳川に復讐していく物凄い熱量の伝奇映画なのである。
現代では、この熱量(特に紅蓮の如き炎ね。)ある映画は、法的に製作は不可能であろうなあ。
いやあ、凄い映画でございました。>