麻雀放浪記のレビュー・感想・評価
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素晴らしかった
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モノクロ映画にしたことで戦後の荒れ果てた東京がとてもリアルでスケール感のある表現が見事だった。
ばくち打ちにはロクな人間がおらず、お互いを信用しないまま、それでもつかず離れずで付き合っているところが悲しく面白い。出目トクの遺体を土手の上から雑に転がして、それで親切にした気になっているところが非常に何かを語っているように感じた。お互い明日は我が身なのだろう。高めの役を積もって死ぬなら、むしろ本懐であったのかもしれない。
大竹しのぶの家が非常に雑にやりとりされていて、あの権利書も戦後さながらなら大した価値はなかったかもしれないが、最終的に権利書を持った人が勝ちであると思う。
お話も面白いし、表現もかっこいい。なにより登場人物が全員クズなところが特に素晴らしい。鹿賀丈史は本当に大竹しのぶを愛しているように描かれていたが、実際のところ自分の博打の方をはるかに優先しているからそれは表現の妙である。
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