「博打と青春と生き様と。」麻雀放浪記 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
博打と青春と生き様と。
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原作は未読です。
坊や哲やドサ健、出目徳など、登場する博打打ちたちのキャラクターがめちゃくちゃ個性的で、それぞれが放つ熱がすごいなぁ、と圧倒される想いでした。登場人物の殆どが通り名というのもユニークで面白いなぁ、と思いました。ある意味名前を捨てて、社会の裏で生きている、というような、ピカレスク・ロマンな匂いが堪りませんでした。
坊や哲にとっては青春期。博打の世界に身を置く中で、世間の世知辛さと奥行きに触れ、初めての恋と別れを経験し、男になっていきました。しかし、主人公であるのにも関わらず、終盤に掛けてはドサ健のリベンジ大勝負の感じが強くなって来て、視点がぶれているような気がして混乱しましたが…。
博打打ち、いかさま師…一度その世界に足を踏み入れた者たちの生き様が胸に迫って来ました。ギャンブルは一度もしたこと無いですが、それぞれの矜恃を賭けたクライマックスの麻雀シーンに言い知れぬ迫力を感じました。
古き良きモノクロ映画を彷彿とさせるようなつくりになっていて、冒頭でキャスト・スタッフの全員の名前を出して、ラストは“終”の文字のみ、みたいな。いやぁ、いいねぇ! 雀卓をローリングするように撮影したり、斬新なカメラワークが炸裂していて、挑戦的な映画だなぁ、と思いました。
【余談】
特撮ファンとして気になったこと―。クレジットに成田亨の名前が! 冒頭の焼け跡のリアルなミニチュアや、坊や哲とママが歩く川岸のシーンの、川を進む船やそこに架かる橋など、随所に特撮シーンがあって、無条件にたぎりました(笑)
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