本日休診のレビュー・感想・評価
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本日休診出来ません‼️
「本日休診」の札を掲げた八春先生。が、そうは問屋がおろさない。暴漢に襲われた娘、指をつめるために麻酔をうってくれというヤクザ、急のお産、と次々と患者がやってきて、極めつけは戦争ノイローゼの三國連太郎。戦争の傷跡をちらつかせながら皮肉をきかせ、ユーモラスで温かい映画に仕上がっています。空飛ぶ雁の群れにみんなで敬礼するラストシーンも素晴らしい。
人情物語
ゆっくり昼寝しようとしていたら、婆やの息子・勇作(三國連太郎)に例の発作が起こり一騒動。軍隊で受けた精神的病で通行人に乱暴しようとしていたのだ。今度こそはと思っていたら、今度は警官が一人の娘・悠子(角)を連れてくる。持ち物を奪われた上、暴行されたというのだ。その診察も進まぬうちに、18年前の初めての患者・湯川三千代(田村秋子)が18年前の医療費を持ってやってくる。さらに指を詰めたいから麻酔をかけてくれというヤクザの加吉(鶴田)や船頭のお産など、目まぐるしいほど忙しい休診日となってしまった。
貧乏人からは診療費はいつでもいいからと、赤ひげのような存在である大先生。悠子と湯川の息子・春三(佐田啓二)の恋物語になるかと思っていたら、ヤクザの加吉とお町(淡島千景)の悲恋のような感じだった。かなり純情な物語だろうとたかをくくっていたが、悠子はレイプされたわけだし、お町なんて金持ちの愛人になり流産するという展開。それでも暗い雰囲気はなく、飄々とした明るい先生やきちがいの勇作のおかげで笑わせてくれる人情物語。
しかし、ストーリーは詰め込み過ぎだし、ディテールの欠如といった、まだ戦後映画の黎明期といった印象が残る。
関心して悟らされる
主人公の先生の人間味がとても心地いい。優しさ、人情にあふれていて、日本人らしく、先生の考え方、生き方に惹かれる。
戦後復興しかけている日本の情景もなんだかリアルに「こんな感じだったのか」と思うことができた。
本日爽快
柳永さん唯一の主演映画、歯切れのいい台詞、細かい動作にこの人の持つ温かみが八春先生をとおして随所に垣間見られます。
時代背景はともかく'50年前の作品とは思えぬよさがあります。
鶴田浩二、岸恵子、三国連太郎、佐田啓二、淡島千景それに新劇メンバー多数の多彩なメンバーを相手に主役をはれるのは、柳永さんしかいません。
それにしても昔の人の演技力はすごいです、映画の作り方がかわってきたせいでしょうか、このごろの俳優にハートが感じられません。
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