「最も危険な学園」暴力教室(1976) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
最も危険な学園
『ビー・バップ・ハイスクール』『クローズ』『今日から俺は!!』…邦画の人気ジャンルの一つである“ブッ飛び学園不良ムービー”。
しかし、本作の過激さには敵わない。
教習すらビビる不良グループが支配する地獄の高校。
赴任して来た新任体育教師・溝口。
真っ向からぶつかっていく…!
仮にも“学園モノ”。
やがて築き上げられていく教師と不良生徒たちの絆…なんて、あったもんじゃない。
本当に“闘い”。
黒板に名前を書いていたら、いきなりナイフ投げの洗礼。
溝口は体育授業でしごき。
理事長の娘絡みで、溝口と不良グループのリーダー・喜多条はさらに因縁&対立。
喜多条は溝口の妹を犯す。
溝口と喜多条が殴り合う!
溝口は、かつて相手を死なせたボクサーでもあった…!
暴力!レイプ!シンナー!
校内で教師と生徒が本気の殴り合い!
リアリティーなんて欠片もナシ。バイオレンス、荒唐無稽、ハチャメチャクチャ、過激、何でもあり!
まあ、そういうのを見る作品である。
松田優作の映画初主演作であり、本格アクション初出演であり、後の“遊戯シリーズ”の原点でもあるとか。
舘ひろしのデビュー作。劇中率いる不良グループは舘も含め本物だとか。
そもそもの製作のきっかけは、松田優作が前年出演したTVドラマで予備校生相手に暴力沙汰を起こし逮捕され謹慎処分になるも、“教師対本物の不良”という企画に大抜擢。
一応ハリウッド映画の影響や当時の時代背景もあるそうだが、それで一本映画を作ってしまうとは…! 今なら考えられん…!
しかし、松田優作のギラギラとした存在感、舘ひろしの荒削りながら初々しさ。
そして2度と見られない2人のガチンコ対決はレア物!
“教師対不良”に収まらず、話は学園に蠢く陰謀へ!
その犠牲となってしまった妹…。
本当の悪は…?
溝口の怒り爆発!
喜多条らも参戦。
腐り切ったこの学園の悪を一掃する!
クライマックスは溝口&喜多条ら不良グループ対理事長&生徒会長ら。
対立していた者同士が共闘し、上に立つ奴が一番腹黒い…というよくあるパターンもさることながら、両グループの紛争は留まる事を知らず、火炎ビンやら、理事長は日本刀やら、溝口はそれに素手で立ち向かうやら、もう話は完全破綻。
改めて言うけど、真面目に見るんじゃなく、このバイオレンス!荒唐無稽!ハチャメチャクチャ!過激!何でもあり!…を見る作品である。
ちなみに私がこの学園の生徒だったら…?
1時間目で退学しま~す。