「宝の持ち腐れならぬ、「千葉真一の出し腐れ」」冒険者カミカゼ Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
宝の持ち腐れならぬ、「千葉真一の出し腐れ」
1981年公開、配給・東映。
【監督】:鷹森立一
【脚本】:内藤誠、桂千穂、中島貞夫
主な配役
【神風大介】:千葉真一
【星野明】:真田広之
【金城ケイ】:秋吉久美子
【堂島有三】:岡田英次
【立花みどり】:あべ静江
【海野九三】:尾藤イサオ
1.鷹森立一・千葉真一コンビ
アクション長寿テレビシリーズ『キイハンター』からのバディだが、『ボディガード牙』シリーズ同様に、映画は冴えない。
100分越えの脚本にするために、冗長な展開が多くなる。つまり、核となるストーリーが弱いのだ。
アクションシーン頼みの印象になってしまう。
本当にもったいない。
「千葉真一の出し腐れ」だ。
2.バラバラ感(キャスティングの問題?)
千葉真一42歳。
JACを創設して10年。すでにスターの領域。
真田広之は21歳。
同じ年に『魔界転生』にも出演。
秋吉久美子は27歳。
結婚と出産から復帰し、立て続けに映画に参加、これが復帰後3作目。
千葉真一は
『冒険者たち』、『明日に向かって撃て!』、『スケアクロウ』に憧れて、本作を企画した。
つまり、ニューシネマとも呼ばれていた世界観だ。
◆善と悪、敵と味方の相関が複雑(盗んだ金を盗まれる)
◆ニヒル、シニカル、乾いた笑い
◆金儲けと友情
3人のメインキャストに、まったくバディ感がない。
三本の矢、の逆をいってる。
3.なにを見せたいか分からないシーンの連続
代表的なシーンをひとつ。
日活ロマンポルノの濡れ場に流れそうな音楽をバックに、千葉真一と真田広之が狭い室内でアクロバット合戦を繰り広げる。
アクロバットならまだ良いが、トレーニングメニュー的な動きも加わる。
秋吉久美子は、笑みをたたえて見守り、最後はまくらがはじけて、羽毛が飛び交う室内でのスローモーション。
「ねえ、なにが楽しいの?」と画面に問いかけたくなる。
アクションシーンではなく、体操シーンだ。
そういう意味では、ニューシネマと言える。
4.教えてください
トヨタロゴをフロントグリルに奢った四駆?
に目が向く。
サイズ的には5ナンバーか軽だが、当時もトヨタは軽を作ってないし、ダイハツとのタイアップもまだだったはず。
車名が知りたくて仕方ない。
誰か教えてくださいm(_ _)m
5.まとめ
製作陣の「ノリ」で作ったような作品だが、
当然、そんな映画もあってよい。
時流にハマればヒットすることもある。
本作はハマらなかっただけだ。
40代の千葉真一、20代の真田広之を観たい人だけに勧めたい。
☆1.0