蛇の道(1998)のレビュー・感想・評価
全13件を表示
リメイク版の方を先に観たが、本作の方がすっきりしている。 香川照之...
リメイク版の方を先に観たが、本作の方がすっきりしている。
香川照之もヤクザの一員なので彼に対する復讐というのも分かる。
謎の女・コメットさんと哀川の塾に通う謎の天才少女の存在がよく分からないが、2人ともいい味を出している。
それにしても哀川は塾で何を教えていたのだろう。
あの学問が実生活で何の役に立つのか気になる。
ストーリーも雰囲気も最高
・娘を拷問の後に殺した男を拉致して拷問をして復讐する話かって思いきや、拉致した男は犯人じゃなかったり、協力している男は謎の方程式を教える塾の講師で、それが妙に人気だったり、娘を殺された父親は何だか情緒不安定だし、不気味でわからない事が多い状況もあって、とても面白かった。
誰が少女を殺したか?誰が娘を手にかけた?
「蛇の道」柴咲コウさん主演のリメイクは自分には合いませんでした。
オリジナルは哀川翔さんということを知り、俄然興味がわいての鑑賞です。
【ネタバレ】
内容は、ほぼ同じでしたね。ただ、リメイク作の方が、少女殺害の理由が臓器売買ということで明確になってたかな。
大方の人が、リメイク作を推しているようですが、自分にはオリジナルの方がしっくり来ました。
内容、展開がやっぱりVシネっぽいんですよね。
哀川翔さんは、塾講師を演じていても極道感が抜けません。なんか、裏社会の人のように見えてしまう。そういう面では、リメイクの柴咲さんの方が、普通の人っぽくて、その行動の過激さに恐怖を感じられました。
香川さんがメチャクチャ若い。どっちつかずの危うい感じがピッタリでしたね。ただ、塾に通っている少女を見つめる目に鳥肌起ちました。あのあと、あの子は登場してなかったけど大丈夫だったんだろうか?
結局、香川さんが少女虐待ビデオの売人みたいだったけど、それ以上に購入者でもあったんじゃないかな。自分の子供の映像にしたって、嫌がりながら指の間で見つめていたような・・・
自分が与えてきた精神的な拷問を、これから自分が体験していくっていう恐怖がラストシーンにあったと思うんですが、どうでしょう?
こういう異常なところが、ホラー好きの自分に響いたのかもしれない。臓器売買の組織の方が、社会的には大きな問題なんだけどね。
最後に、どちらの作品も最後は銃撃戦だったんだけど、そこまで一緒にする必要あったのかな?
セルフリメイクを観て…
フランスを舞台にしたセリフリメイクを観て、オリジナルが気になったので観てみました。
観て思ったのは、リメイクしたのは大正解!!
そして、このオリジナルは酷い…
申し訳ないが、全体的にイモっぽくてダサイ。
洗練されたリメイクを観て興味を持った人が観ると、ガッカリすると思う。
『地獄の警備員』でも思ったけど、カメラのセンスも良くない。
あと、哀川翔さん主演て事でヤクザ映画の延長線に思えてしまう…
僕は、この作品オススメしません。
【若き黒沢清監督製作の不条理の連鎖が惹き起こした復讐劇。24年度制作のセルフリメイク作品と見比べるのも面白いかもしれないね。】
■内容は、2024年度公開の「蛇の道」とほぼ同じなので割愛。
だが、一番の違いは哀川翔演じた新島の復讐が香川照之演じた宮下で止まっているところであろうか。
2024年度バージョンでは、更に深いところまで掘り下げられていたからね。
それにしても、日本で撮影された作品と仏蘭西で撮影された作品で、これほど趣がちがうとはなあ。
黒沢清監督は”マチュー・アマルリックと製作した「ダゲレオタイプの女」が・・。”と言っていたが、狙いは矢張り仏蘭西で製作、撮影する効果を狙ったのではないかな、と思った作品である。
日本だとどうしても、湿性感が出るしね。
矢張り、黒沢清監督は邦画では珍しい乾性の映画監督だと思う。
故に、日本国内では一般的には高い評価を得られないが、カンヌ映画祭など海外では高い評価を得ていると思う。
<黒沢清監督は、ミヒャエル・ハネケ監督、ラース・フォン・トリアー監督達癖のある巨匠に、邦画監督としては唯一肩を並べられる映画監督になるかもしれないね。>
セルフリメイクされた『蛇の道』の1998年オリジナル。
黒沢清監督がこの映画をフランスで撮影したセルフリメイクが
公開されると聞いて、それを観る前にオリジナルを鑑賞しました。
主人公の香川照之が8歳の娘を惨殺されて、その復讐のために
犯人らしき疑われる男を拉致して監禁する。
そしてその拷問シーンがエグいのです。
そして協力者の男・新島(哀川翔)がいます。
素人ぽい香川照之に較べて、哀川翔はプロっぽくて、リーダー感がある。
哀川翔は塾講師の顔を持ち、子供への当たりは柔らかい。
謎の男ですね。
そんな2人が体育館みたいに廃屋に第一容疑者をまず監禁。
手口はいきなりスタンガンで意識を失わせて、寝袋に押し込み
車のトランクに入れて廃屋に運んで来る。
第一容疑者はそれでも、自分が何故、こんな目に遭うのか半信半疑。
それもそのはず、香川と哀川の2人にも、娘殺害の犯人は
はっきりとは分かっていないのです。
香川照之がTVをキャスター付き台に乗せて運び、
ビデオ映像をみせます。
娘の元気な日の幸せな日々の映像。
それを見せながら読み上げる死体検案書の文章。
香川は死体検案書を何度も何度も読み聞かせる。
セルフリメイクでは表現がマイルドになっていましたし、
オリジナルにはなかった臓器売買や、生きたまま臓器を取り出す映像を
売っていた・・・などの変更があります。
死体検案書の内容は、オリジナルでは2024年のコンプライアンス的に
OUTですし、変えたようです。
リメイクでは事件の発案は柴咲コウが心療内科医で、患者として
アルベールと知り合い、娘を殺された悩みを聞くうちに同情から
協力者になる・・・と言う構図です。
それにしては柴咲コウの助っ人ぶりがサイコで極道並み‼️
リメイクの方が連続・少女誘拐殺害事件の復讐と全容解明、
この二つがキチンと答えが出ています。
オリジナルでは哀川翔の恨みの理由が判然としません。
フランスで撮影した良さやフランス人俳優そしてフランス語を
流暢に話す柴咲コウが、景色にも溶け込んでいて、実に綺麗です。
人間を寝袋に入れて運ぶシーン。
ずるずるとアルベールと2人で森の中の坂道を引き摺っていく。
この人間が本当に入っている重さが見えるのですね。
引きずる方も引きずられる方もなかなかの苦行です。
オリジナル作品はVシネマとして撮られたらしく、
当時のVシネマの帝王・哀川翔が主演を演じているのでしょう。
一方の香川照之はひょろっと痩せて青白い顔の、大人しげな男。
その後のカメレオン俳優の片鱗はどこにもありません。
ラストのバイオレンスも見応えあり、
地獄の果てで崖っぷちの男たち。
これはこれで面白い映画でした。
彼は神の視点の存在か
映像はVシネマの質感。一見したところはいわゆる裏社会ものだが、被害者であり加害者でもあるような人物が出てきたり、謎めいたループ構造があったりする複雑さが意外で興味をそそられる。ただ作りは荒削りなので、謎が謎なまま消化不良で終わる感じはある。
塾講師の男(哀川翔)も過去に娘を殺されていたということに気づけば物語は理解しやすい。私は最初、彼は加害者側ではないかと構えていたので話の展開が理解できなかったが、彼は神の視点の存在で悪を成敗しているのだと考えて謎が解けた気がした。数学を解く少女もまたそちら側の存在であり、彼らは言うなれば「マトリックス」のオラクルやアーキテクトなのだと思う。
あるいは少女は過去に殺された人間の一人、もっと言えば数学塾に来ている人はみな殺されて彷徨える霊であって、塾講師の男が彼らの霊を慰めているという解釈もできるかもしれない。
セルフリメイク版が楽しみだ。
リメイク公開前に久々鑑賞
黒沢清監督のVシネマ作品だが1998年に劇場公開もされた1本🎥
あの『勝手にしやがれシリーズ』、『復讐(2作品)』に続いて、哀川翔が主演。
近日、柴咲コウ主演でセルフリメイク映画が公開されるので、久しぶりに鑑賞。
街中の道路を走る車からの目線での映像から物語が始まり、車に乗っているのは新島(哀川翔)と宮下(香川照之)。
この2人、次々とワル男を拉致しては工場の壁にチェーン縛りで監禁する。
宮下の8歳の娘が殺されたことから、彼に協力する新島と2人で犯人に復讐する物語が軸となっているのだが、この協力者=新島が犯人側とも協力する風景が見られるのが「謎」。
そして、娘を殺された男たちの復習劇はだんだんとエスカレートしていき……という展開を見せるのだが、「あいつが犯人だったの?」など…うやむやな感じが残る😅
やはり黒沢清監督らしく段ボール殴打が印象的😄笑
予算をおさえたチープな本作を、黒沢清監督が女優を主演としてどのようにリメイクするのかが気になる。
公開が楽しみである🤗
<映倫No.115236>
ママチャリにまたがる哀川翔が怖い怖い
Vシネの予算で撮った低予算映画だが、ホントに最初から最後までまったく目が離せない極上エンタメ。
拉致監禁のシーケンスを反復しながら徐々に盛り上げるストーリーも素晴らしいし、緊張感不穏さ不気味さを途切れさせない絵作り・演出も素晴らしい。拉致に向かう道中のショットがとても効いていて唸らされる。
哀川翔の不気味なカリスマ性、抑制が効いていた頃の香川照之の顔芸も素晴らしい。コメットさんや柳ユーレイのキッチュさも楽しい。黒沢清の映画はいつも、ずっと怖いのに訳の分からない面白いショットがいきなり出てきて「なんでやねんw」となるのが好きだ。
どこを切り取っても楽しめる傑作。6月に公開されるリメイク版が待ち遠しい。
あと、溶接作業をする哀川翔もめっちゃ怖いです。
全13件を表示