平成狸合戦ぽんぽこのレビュー・感想・評価
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人間の業の深さを狸を通じて・・・
「説教くさい映画」などと批判されがちな映画だが、高畑さんの映画はメッセージがストレートに内包されているというか、建築の骨組みが見える映画のような感じなのでこれはしょうがないっちゃしょうがない。だが
万人受けのいい映画には濃密なストーリーの中に宝探しのようにメッセージが含まれている気がする。
まあそのありあまるメッセージについて
映画を見て狸に同情して、里山への郷愁の念を感じることが多いのかもしれないが、この感想を抱いてはならないのかもしれない。
所詮この映画も人間の視点で自然に同情しているもので、ユートピアとして描かれてる里山も元々は人間が開発したものである。
環境保護を謳ってもそれは人間の自己満足に過ぎない。
ならどうすればよいのか?
どっちが各々にとって幸せなのか考え幸せな道を選ぶという形でいいと思う。
都会に暮らしていて、里山に憧れるのであれば、その人にとって都合のいい環境保護に身を投じればいいし、今の便利な暮らしがいい人は、なにもしない。こんなスタンスでいいんじゃないかなあ
他にもこのようなメッセージ性の他に、日本の古い民謡や伝承、農民の気質などが織り込まれていて楽しかった。
特に百鬼夜行のシーンは見事! お化けがお化けではない現代人の反応がリアルだった。
作画もさすが!の一言!
失われたもの、得たものが明確に見えた映画でした
複雑な話題…。ジブリって実は怖いね。
子供の頃に見た時はただ「金た●」で空を飛ぶ狸に気持ち悪さを感じ、更に化けるという特技を持った狸に恐怖を感じたっけな(笑)
今更見てみれば、かな〜り重い内容…。自然を省みず己の欲・金で動く人間の自己中さ。
それでも狸目線で東京の開発を「やめて〜!!」なんて思えなかったクズな自分がいたりする…(笑)
しかし、それを悪というならばネズミはなぜ駆除されるの?それなくして今の東京の発展はあったの?お肉なんで食べるの?なんて話になって無限にでてくる…。
ただもちろんですが、自然は絶対存在しなければならないと思うし、確実に共存していかなきゃいけない…。難しい問題ですね…。
この映画子供向けに作られている作品のようで…凄く複雑な気分にさせられる。子供の頃にはとくに複雑な思いもなく見ていた作品。大人になってこの作品みるとジブリの隠れた怖さっぷりにジワジワやられる…。少しホラー。
ラストのシーンだけで少しは救われたかな(笑)
日本昔話風の現代の狸
総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
自然を開発する人間と、開発により住処を奪われる動物との共存という難しい主題を、人を化かすという昔ながらの狸の寓話を使って面白おかしく描いていく。伝統的昔話を科学万能の現代に持ち込むことで狸を擬人化して、本来ならば一方的に人間に住処を奪われ続けるだけの動物の立場を、上へ下への大騒ぎの悲哀的歴史物語として派手にぶちまける。おかしく描きながらも死を生々しくしっかり取り入れ、これがおかしいだけの娯楽ではなくて現実のことなのだと伝えていた。
強い人が野生を侵食していくのはどうしようもないし虚しさも残る。だがそんなこんなで都会の人間社会に入り込んで、厳しい生活ながらも人の傍でしぶとく共生している狸を温かく見守っていた。
予想外のテーマにびっくり
内容をよく知らなかったけれど、初めて見て、人間による環境破壊をテーマにしたストーリーだということを知り、なかなか重いテーマを扱った映画なんだとびっくり。
狸たちに感情移入してしまい、宅地開発によって動物たちの住処を奪っていく人間の身勝手さを反省しました。出てくる狸たちが、面白くて愛すべきキャラクターたちで、余計狸側(動物側)の気持ちに立ってしまいます。
途中(特に妖怪パレードあたり)ちょっと間延びしてしまう場面もありましたが、ラストでは、宅地開発後も細々と、でも強く生きていく狸たちに感動してしまいました。
皇居狸、今の人間社会を見て、何を思う?
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