「青い血の伝説・政府の謀略」ブルークリスマス kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
青い血の伝説・政府の謀略
子供の頃は静脈の血の色は青いものだと思っていた。最初に床屋さんのシーンがありましたけど、床屋さんのサインポールが赤青白だというイメージそのものかもしれません。本来、白は包帯を意味すると思ってたけど、ここでは「白髪がありますよ」というセリフがあるため、白髪の意味なのかな・・・
物語は国営テレビJBCの南(仲代)が失踪した科学者・兵藤博士(岡田英次)を追うパート、国防庁の沖(勝野洋)と西田冴子(竹下景子)の恋物語のパートにそれぞれが絡んでくる。南のパートでは、大河ドラマ「日本元年」の主演女優・高松夕子も青い血だったという序盤の展開。UFOを目撃した人間の血が青くなるというバカバカしい設定ながら、ヒトラーの民族純化政策を想起させる内容となっている。
血が青くなった人々はどこかが変わったというわけでもなく、単に権力者たちが将来どうなるかわからないと恐れていただけで、青い血の人間をすべて排除しようとしたのだった。秘密裏に強制収容所に送り、ロボトミー手術を受け、人体実験の対象となり、やがて殺される。ところが、政府の謀略というのは単純なものじゃなく、一部の青い血の人間を放置するという悪質さ。宇宙人に操られた青い血の人間が一斉蜂起して地球人を滅亡させるという噂を流し、敵ではない者を敵に仕立て上げるという謀略だったのだ。
そんなプロットの中で最も興味深いのが血液点検法により、青い血の人間を炙り出すという点。法制化反対デモが行われるというシーンも面白かった。まぁ、ツッコミどころが多いのは難点だが、壮大な謀略、虐殺という身の毛もよだつラストが圧巻でした。
ふと自分の手首を見ると、血管が青い!いや、みんな青でしょ・・・人種差別、病気による差別、今後何があるかわからない。もしそうしたマイノリティに含まれることがあれば・・・などと考えると、どこかで逃げ道作っておかなきゃなぁ・・・