「面白いけど、不毛なんだよな~。」不毛地帯 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
面白いけど、不毛なんだよな~。
テレビの山本薩夫監督特集で見ました。
原作は読んでないし、テレビドラマも見てませんが、すごく面白いし、勉強になりました。
よくぞこの題材を、ここまでエンターテイメントにしたと、拍手したいくらいなんですが、やっぱり不毛地帯だけに、見た後はむなしさが残ります。
商社による、戦闘機の受注合戦の話なんだけど、すごい現実感があって、まったくの作り話とは思えません。
そこがいいところではあるんだけど、悪いところでもある。
現実的すぎて、後味が悪い。
実弾(現金の賄賂)は飛び交うわ、他社の見積もりは盗むわ、密告で相手の足は引っ張るわ、さもさりなんという醜い戦い。
その結果、ラッキード社だかグラント社だか知らないが、どちらに決まろうが、数百億円のお金がかかる。
いるかいらないか?と言われれば、某国の領空侵犯に対抗するためにいるのだろうけど、日本の上空の制空権は実質アメリカが持っているのだし、実戦で使う確率はほとんどない。
日本の法律では、先制攻撃はできないから、他国より使い道は大幅に限定される。
さらに武器の輸出は禁止されているから、技術を取り入れて、国産化して、輸出というわけにもいかない。
古くなったら、また、たいへんなお金を払って、アメリカから買うしかない。
その間も、莫大な維持費がかかる。
それが全部国民の税金かと思うと、ほとんど関係ない雲の上の話で、どうしようもないんだけど、どう考えてももったいない。
抑止力という三文字の、訳のわからない言葉だけではとても納得できない。
シベリアにかけてるんだろうけど、比べられたらシベリア怒るよ。
シベリアだって木はたくさんはえていて、地球の空気をきれいにしているし、資源だってある。
日本の自衛隊の戦闘機とは比べようがない。
こんな不毛なことばかりやってたら、戦う前に負けるよ普通・・・・?