劇場公開日 1976年8月28日

「面白いけど、不毛なんだよな~。」不毛地帯 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0面白いけど、不毛なんだよな~。

2014年2月2日
PCから投稿

興奮

知的

難しい

テレビの山本薩夫監督特集で見ました。

原作は読んでないし、テレビドラマも見てませんが、すごく面白いし、勉強になりました。

よくぞこの題材を、ここまでエンターテイメントにしたと、拍手したいくらいなんですが、やっぱり不毛地帯だけに、見た後はむなしさが残ります。

商社による、戦闘機の受注合戦の話なんだけど、すごい現実感があって、まったくの作り話とは思えません。

そこがいいところではあるんだけど、悪いところでもある。

現実的すぎて、後味が悪い。

実弾(現金の賄賂)は飛び交うわ、他社の見積もりは盗むわ、密告で相手の足は引っ張るわ、さもさりなんという醜い戦い。

その結果、ラッキード社だかグラント社だか知らないが、どちらに決まろうが、数百億円のお金がかかる。

いるかいらないか?と言われれば、某国の領空侵犯に対抗するためにいるのだろうけど、日本の上空の制空権は実質アメリカが持っているのだし、実戦で使う確率はほとんどない。

日本の法律では、先制攻撃はできないから、他国より使い道は大幅に限定される。

さらに武器の輸出は禁止されているから、技術を取り入れて、国産化して、輸出というわけにもいかない。

古くなったら、また、たいへんなお金を払って、アメリカから買うしかない。

その間も、莫大な維持費がかかる。

それが全部国民の税金かと思うと、ほとんど関係ない雲の上の話で、どうしようもないんだけど、どう考えてももったいない。

抑止力という三文字の、訳のわからない言葉だけではとても納得できない。

シベリアにかけてるんだろうけど、比べられたらシベリア怒るよ。

シベリアだって木はたくさんはえていて、地球の空気をきれいにしているし、資源だってある。

日本の自衛隊の戦闘機とは比べようがない。

こんな不毛なことばかりやってたら、戦う前に負けるよ普通・・・・?

Push6700