秘録長崎おんな牢

劇場公開日:

解説

「おんな牢秘図」に続くシリーズ二作目。脚本は「新女賭博師 壷ぐれ肌」の高岩肇。監督はこれが昇進第一回作品の太田昭和。撮影は「皆殺しのスキャット」の今井ひろしがそれぞれ担当。

1971年製作/85分/日本
配給:ダイニチ映配
劇場公開日:1971年5月26日

ストーリー

異国への表玄関長崎の町の一隅に娑婆と隔絶された冷たいおんな牢があった。兇悪犯もおののく拷問蔵で今日も凄まじい悲鳴が聞こえていた。豪商浜田屋火つけ、主殺しの大罪に問われ、自白を強要される混血娘おみつへの苛烈な拷問が繰返されていた。おみつは失神しその無惨な姿は、前科数犯の牢名主お熊も息を呑むいたましさだった。同房のあやめ、千賀がおみつの手当に貴重な水を使用したことから、お春、お熊らといさかいが起きたが、殺ばつなおんな牢ではさして珍らしいことではなかった。そんな時、新入りのお仙が入って来た。キメ板で叩きのめす、新入りに対する儀式を行おうとしたお春は逆にぶちのめされ、牢名主の貫禄で隠し金を吐き出させようと立ちはだかったお熊もたわいなく痛めつけられ悲鳴を上げた。新しい牢名主となったお仙は、赤毛のおみつを憎々しげに毒づき病的なまでに混血を嫌った。再び吟味取調べを受けたおみつは、不眠の責めにかけられた。何昼夜も眠りを閉ざされ、もうろうとなったおみつは、夢うつつのまま吟味方同心緒方の差し出す口書に爪印を押し、罪を認めてしまった。おみつの死罪が決った。牢内で陣痛が起きた。千賀を先頭に痛む身体にもかかわらず、かいがいしく働いた女囚たちのお陰で無事赤ん坊が産声を上げた。明るい笑声が牢内にこだました。拷問と出産騒ぎの疲れでぐっすりとみんなが寝込んだ夜、一人目覚めていた千賀は、お仙を鋭い針で刺殺しようとするおつねを捕り押さえた。おつねはお仙の情夫亥之のさし向けた殺し屋だった。亥之は浜田屋事件の真犯人、それを知るお仙の口を封じるための小細工だったのだ。激怒したお仙は、おみつに事情を打明け、無実の罪と仇を討つため共に脱獄しようと相談、機会をうかがった。機会はめぐってきた。牢番の目を盗み、お熊たちが命を投げだして組んでくれた人梯子を伝い、やっと牢を脱けだした二人は、亥之の家に押し入った。女とあなどりせせら笑う亥之は、ドスを手にお仙に向った。お仙の危機にわれを忘れたおみつは、手にした刃物で、自分の無実を晴らす大事な生証人亥之を刺し殺してしまった。再びおんな牢に送られたおみつを救うものは何もなかった。磔台に縛られ、何もかもあきらめ切ったような美しいおみつの顔に冷たい風が無情に吹き抜けていった。

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