劇場公開日 1974年3月9日

卑弥呼のレビュー・感想・評価

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3.5シャーマン卑弥呼

2023年7月9日
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知的

難しい

中国の『魏志倭人伝』に記されている人物、卑弥呼が邪馬台国を統治していた弥生時代の話。
1974年、篠田正浩監督の作品で、主演は奥さんの岩下志摩。

卑弥呼については謎が多く、架空の存在だという節もあるらしいですが自分がイメージする卑弥呼に岩下志摩はぴったりでした。艶めかしくて謎が多く独断的。冒頭から卑弥呼登場。太陽の光を浴びながら悶えるシーンが何ともエロいです。

映画を見ようと思ったキッカケは、某書物に篠田正浩氏が「魏志倭人伝に記録された卑弥呼の存在がどれほど皇国史観的に馴致された少年に打撃を与えたか測りしれない」と書いていたのを読んだからです。実際、篠田正浩はこの作品の構想に10年掛けているらしいです。

ATG作品で前衛的な土方巽と暗黒舞踏団の独特な雰囲気が漂っておりシュール。時代も弥生時代なので、とっつきにくいかもしれません。エンタメ性はないですね。古墳時代の話だからといって、お子様にはちょっとおすすめできないし。自分は卑弥呼に興味を持って見たので、最後まで飽きずに見ることができました。(天津神、国津神なども事前にちょっと調べていたし^^;) 1970年台の映画の割には、古さを感じませんでした。

草刈正雄は卑弥呼の異母弟なのですが、美しい鬣(たてがみ)を翻したお馬さんみたいでかっこいい!顔だけみると、
ディーン・フジオカでした。弟といえども、銅色の肉体美に魅せられ卑弥呼がタケヒコに恋をしてしまうのもわかります。(魏志倭人伝では、卑弥呼は人前には姿をほとんど見せず、弟がすべて卑弥呼の世話をしていたとか。その弟がタケヒコなのかどうかはわかりませんが、弟の存在にスポットを当てたのかもしれません)

タケヒコと卑弥呼の上からのショット、赤と黒のコントラストがきれいでした。

ナシメ役の三国連太郎はさすがの何気ない存在感。ラスト近くでは、ナシメも卑弥呼を愛していたことがわかりますが、卑弥呼とナシメが絡むところ(ラブシーンではないのですが)、何とも艶めかしくて。

王子役のようでしたが河原崎兄弟がちょっとインパクトなかったです。特に河原崎長一郎は、台詞棒読みなのが気になりました。

二度見すれば、また発見がありそうです。

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mitty