「凛」緋牡丹博徒 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
凛
「昭和残侠伝」の次に選んだシリーズ。
まさかの高倉健さん共演でテンション上がる。
東京東映のイメージが強かった仁侠映画だけど、今作は京都東映で撮ったみたいだ。殺陣のクオリティは流石に高い。
斬られ役が斬られ役として、堂々たる仕事ぶりを発揮してる。
さて、昭和残侠伝の花田秀次郎が雑草の逞しさなら、今作、矢野龍子は凛と咲く百合のような気高さがある。
粋な姐さんではあるものの、正直場違いすぎる。品があって、たおやかでしなやかで。
確信犯的なヒロイン像なのである。
勿論、それを遺憾なく体現してみせた富司純子さんがいればこそ、なのだが。
同じ渡世の話でも、女性にしか出せない艶みたいなのがあってとても良かった。
流暢な方言を操るわけなのだけど、全くもって田舎くささはない。
10台のあどけなさも、大人な色香も使い分ける芸達者ぶり…大好き!
ラストのある意味ラブシーンである健さんとのシーンは、とても良かった。
不死身の高倉健が弱っていく様もいいのだが、それを抱きしめ、額をこすりつける富司純子さんのなんと健気な事か…!
啖呵を切って意地を張ってきた女性ならではのギャップ萌なのである。
女性の主演ならではのシチュエーションだ。
おそらくコレは鳴り物入りでクランクインしたのではなかろうか?
満を辞しての富司純子。しかも、女渡世人。特別出演枠に「高倉健」
キャストもスタッフも、とてもとても豪華な布陣なのである。そして期待に応え、前評判を上回る高評価を得た作品だったのでないだろうか。
なんか新機軸のようなポジションだった。
お話も見やすかったし、展開も丁寧だ。
健さんは安定の渋さで、富司さんは美しい。若山さんの3枚目ぶりは見事!
シリーズのお披露目としては、満点の出来栄えだったと思われる。