劇場公開日 1974年2月16日

「【畜生働きを重ねる盗賊団を束ねる妖艶な女の毀誉褒貶の、若き頃梅安と恋仲であった生き様を描いた作品。今作は、岩下志麻さんの匂うが如き色気と物凄い流し目にヤラレル作品でもある。】」必殺仕掛人 春雪仕掛針 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【畜生働きを重ねる盗賊団を束ねる妖艶な女の毀誉褒貶の、若き頃梅安と恋仲であった生き様を描いた作品。今作は、岩下志麻さんの匂うが如き色気と物凄い流し目にヤラレル作品でもある。】

2025年8月8日
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■漆屋問屋の小津屋一家が惨殺された。この畜生働きは、小津屋の後妻に入った盗賊の首領・お千代(岩下志麻)が手引きしたものだった。
 今は堅気になっている元盗人・小兵衛は、彼女を立ち直らせるために、お千代の子分たちの始末を元締め(山村聡)に依頼するが、彼女の事は始末しないでくれと頼むのであった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作は、盗賊の首領・お千代を演じた岩下志麻さんの、匂うような色気と流し目と時に見せる眼力にヤラレル作品である。
 そのお千代が若きときに梅安と恋仲であり、だが梅安は自らが仕掛人であった事から彼女を捨てた。
 それが、彼女を畜生働きを重ねる盗賊団を束ねる妖艶な女にしたしまったという設定の妙が光る。

・梅安に襲い掛かる盗賊団のやり手と小杉(林与一)との真剣対決や、梅安が鍼で対抗するシーンなど見せ場も多い。

・更には、梅安シリーズの見所である食べ物のシーンも良い。浅利と大根の小鍋。フグの薄造り・・。

・ラスト、盗賊たち(夏八木勲)達は、元締めにより始末され、独り家でに残るお千代の元を訪れた梅安に対し彼女が言った言葉”殺さないで!”。
 だが、非情の鍼は彼女の脊髄に深々と突き刺さり、斃れた彼女の身体を抱く梅安の胸の中で、お千代は涙を流しながら息を引き取るのである。

<今作は、岩下志麻が見せる哀しき悪女ぶりが際立つ作品であり、ラスト、彼女が梅安の鍼で殺された後に梅安が言った言葉”私は、お千代を二度殺した・・。”も”余韻を残すシリーズ屈指の佳品である。>

NOBU
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