必殺仕掛人 梅安蟻地獄

劇場公開日:1973年9月29日

解説

“必殺仕掛人”シリーズ第二作目。江戸時代、被害者の晴らせぬ怨みを代りに晴らす仕掛人の活躍を描く。原作は池波正太郎の同名小説。脚本は宮川一郎、監督は脚本も執筆している「必殺仕掛人」の渡辺祐介、撮影も同作の小杉正雄がそれぞれ担当。

1973年製作/91分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1973年9月29日

あらすじ

鍼医者・梅安は、ある夜、一人の浪人に本道医師・宗伯と間違えられて襲われた。人違いと知ったその浪人は闇に消えた。数日後、梅安は仕掛の元締・半右衛門から伊豆屋長兵衛の暗殺を頼まれた。伊豆屋は五年前に江戸に来て以来、急速に財をなしており、その私生活は謎につつまれていた。ある日、梅安は伊豆屋と宗伯が密会しているのを張り込んでいたところ、先日の浪人も宗伯を見張っていた。浪人は小杉十五郎と名乗り、薄幸な女郎お仲の母を犯し自殺に追いやった宗伯を狙っていたのだった。やがて調査で宗伯と伊豆屋の過去が判明した。伊豆屋は紀州家の侍であったが、藩内部の政権争いで、二人の家老のために宗伯から毒薬を手に入れ、藩主を秘かに毒殺したのだった。以後、侍を捨てた伊豆屋は、家老から金を強請っていたのだった。伊豆屋の仕掛を依頼したのもその家老だった。一方自分たちが狙われていると察知した伊豆屋は、宗伯を甲府へ逃がし、他の仕掛人に梅安、小杉の殺しを依頼した。梅安の家に罠が仕掛けられた。帰って来た梅安と小杉に襲いかかる殺し屋たち。それは一度入ったら抜けられぬ蟻地獄だった。危機に立つ二人だったが、かけつけてきた半右衛門の助けでどうやら助かった。殺し屋の一人から宗伯の居場所を聞き出した小杉は、すぐ後を追い、斬った。祭りの夜、やぐらの上で銭まきをしていた伊豆屋が転落した。騒ぎをよそに、面を被った梅安が、くわえた針を納め、人ごみを離れた。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

3.5 【”この世に生かしておいてはならぬ極悪人には、脊髄に非情の鍼を。”今作は、非情に分かり易い勧善懲悪モノであり、チビッ子の時に観た役者さんの演技を堪能する作品である。そして高校時代の事を記すの巻。】

2025年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

■ある夜、表の商売である鍼医者・藤枝梅安(緒形拳)は謎の浪人に突如襲われる。
 だが人違いと分かると、浪人は”すまぬ”と詫び闇に消えていった。
 数日後、梅安は急速に財を成した伊豆屋長兵衛(佐藤慶)の暗殺を元締め(山村聡)から依頼される。
 伊豆屋を探っている過程で、梅安は自分を襲った浪人・小杉十五郎(林与一:良い人と言えばこの人のイメージがある。)と出会うのであった。彼は、宗伯(小池朝雄)という腕は良いが女好きの医者に手籠めにされ、縊死した母の娘お仲(津田京子)を助ける義士だったのである。

◆感想<Caution!内容に触れている・・かな。>

・年代的に、このシリーズはTVで再再再放送を見ていたモノである。だが、当初は水戸黄門の様な正統的勧善懲悪モノとは違い、艶っぽいシーンもふんだんにあり(昭和とは、そういう時代だったのだろう。邦画でも今では制作できないような作品が結構ある。)余り好きではなかった。

・好きになったのは、順番が逆になるが、池波正太郎氏の原作を読んでからである。氏の作品では今作の様な津坂匡章氏が演じたような軽いキャラは無く、梅安が彦次郎と季節のモノで二人鍋をササっと作り、酒を呑みながら仕掛けについて話すシーンなどが好きであった。池波正太郎氏の作品は、食についての描写も優れており後年少し真似をしたモノである。

・今作では極悪人を佐藤慶さんが演じているが、この人は何となく覚えている。調べると昭和の名優だそうだが、時代劇での悪者を演じる姿が印象的であった。
 小池朝雄さん演じる酒に呑まれ、女にダラシナイ医者宗伯の姿もナカナカである。

<ラストが、ビシッと締まらない所が玉に瑕であるが、マア良いであろう。梅安シリーズは大人になると面白い作品ではないかな、と思うのである。>

■戯れ事
 ・高校時代、友人に誘われて「必殺仕掛人」の映画を作り、学園祭で公開したところ大人気であった。私は監督・脚本を務め、友人は主役の梅安を演じた。
  先生監視の元、ワイヤーロープを使っての悪人の首を吊り上げるシーンや、私の家が大きな日本家屋であったので、室内での撮影は全て我が家で行ったモノである。
  懐かしいなあ。

コメントする 1件)
共感した! 3件)
NOBU

3.5 恨みをはらし悪を消す、人呼んで仕掛人!

2025年1月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

単純

「必殺仕掛人」の映画化二作目。本作品では、TVシリーズの緒形拳さん、林与一さんが仕掛人として戻ってきた。(林与一さんはテレビとは別人の役だったけど)

ただ、ストーリー的にはどうなんだろう。テレビ放送とほぼ同じ、単なるスペシャルでしかない感じかな。
面白いことは面白いけど、いくつかある中の一本でしかなかった。特別これっていう魅力もないかな。

コメントする 1件)
共感した! 3件)
ratien

1.5 映画の中のセリフが気になる。

2023年5月25日
スマートフォンから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
マサシ

3.5 悪役がよく似合う佐藤慶

2023年1月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 「どこかで会ったような気が・・・」というのは笑うところなのだろうか。TVシリーズでは西村左内を演じていた林与一だったが、この劇場版第2弾では元松江藩の侍だった小杉十五郎役。伊豆屋長兵衛(佐藤慶)の仕掛けを請け負った藤枝梅安(緒形拳)と、両親とも亡くしたお仲のために山崎宗伯(小池朝雄)を斬ろうとする小杉。坊主頭というだけで間違えられたのがきっかけで、やがて互いの身を語るまで信頼することに。

 ローソク問屋というのはそんなに儲かるのかね~などと思いつつ、江戸幕府、公儀、沼田藩との絡みがあるため楽しめました。医者の山崎宗伯は長兵衛の弟だという事実。そして藩主を毒殺したという過去があるため家老からの賄賂など、様々な悪事が明らかになってくる。

 そんな宗伯をパトロンにしていた井筒屋のおりん。この松尾嘉代が鍼師梅安をも誘うほど艶っぽい。

 蟻地獄という罠を仕掛けた悪人たちだったが、あっさりやられすぎ・・・タイトル負け。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
kossy