劇場公開日 1985年12月14日

「純然たる娯楽作品を目指し、スラップスティック・コメディに完全に振り切った荒唐無稽な演出が、単なる喧嘩と恋愛だけの不良(ヤンキー)映画の範疇を越えていました。」ビー・バップ・ハイスクール(1985) 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 純然たる娯楽作品を目指し、スラップスティック・コメディに完全に振り切った荒唐無稽な演出が、単なる喧嘩と恋愛だけの不良(ヤンキー)映画の範疇を越えていました。

2025年6月29日
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鑑賞方法:映画館

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約65年の歴史に幕を下ろす丸の内TOEIさんにて『さよなら丸の内TOEI』と題した豪華ゲストも登壇する特集上映が開催中。
本日は仲村トオル氏デビュー作『ビー・バップ・ハイスクール』(1985)をご本人の登壇イベント付き上映にどうにかチケットを獲得して参加。

『ビー・バップ・ハイスクール』(1985)
当時の中学生(中坊)にとって本作と「ファミコン」「おニャン子クラブ」「スケバン刑事」は通過儀礼、青春の三種の神器でしたね。
こぞってトオルとヒロシに憧れて喧嘩修行に明け暮れ、変形学生服(ボンタン)や特殊警棒を買い求め、学校で没収させる日々を過ごしておりました。

主演の中間徹役:仲村トオル氏、加藤浩志役:清水宏次朗氏は、我々団塊ジュニア世代にとっては、まさにデビュー作から共に40年を歩んだ銀幕のスター。
今でもお二人の活躍を見ると中坊時代が鮮明に思い出されますね。
またマドンナ・泉今日子役:中山美穂氏も当時ドラマ「毎度おさわがせします」で大ブレイク中、これ以上今日子役に適したキャスティングはないと賛同したものです。

作品内容も、純然たる娯楽作品を目指し、スラップスティック・コメディに完全に振り切った荒唐無稽な演出が、単なる喧嘩と恋愛だけの不良(ヤンキー)映画の範疇を越えていました。

さらに顔面以外OKのフルコンタクトでの殴り合いがCGでは再現不可能、決して流麗でもないが生身の体がぶつかるリアリティと迫力、熱気が飛び散って、当時の興奮は40年経った今でも全く色褪せません。

特に静岡清水線の列車内乱闘シーンでの鉄橋ダイブはコンプライアンスが厳しい昨今、絶対許可がでない超絶危険スタント、邦画アクションのなかでも伝説的な名アクションです。

ロケ地の静岡県静岡市(旧:清水市)の商店街をはじめとする街並みもどこか牧歌的で作品世界観に見事に調和して凄く良いですよね。

矢萩久登
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