「「獅子は兎を撃つ為に全力を尽す」は駄目だ」ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
「獅子は兎を撃つ為に全力を尽す」は駄目だ
東宝の特撮を見せる映画だと思う。しかし、4Kリストアされるとチャッちくなっていまうなぁ。
また、敵を描く事が出来ない伝統的手法なり。つまり、忠臣蔵を描くば、吉良上野介を悪く描く事しかしてこなかった。この映画でも、アメリカ人は一切登場しない。従って、大和民族自らを慰める行為にしか見えない。
「隊長!第二次攻撃隊行きま〜す♥」こんな態度で戦争をしていたのだと思うと情けなくなる。まぁ、こんな態度で攻撃をしたとは思えないが、迫力も緊迫感も無い演出としか思えない。意図的なのだろうか?
この映画を見て思った事は、日本人のナショナリズムの欠如だ。出て来る人物全てが戦争を仕事の一環に思っている。それでいて、大概、空元気。大和民族として国をなんとかしようとする態度には見えない。まぁ、それはともかく、この類の映画で最高峰はトラ・トラ・トラだと思う。やはり、敵と味方の双方をほぼ実写で撮影した所が驚異的。まぁ、軍隊が無い国だから模型を使ってここまで表現するのは見上げたものだが、残念ながら、絵が鮮明になると模型感があらわになる。
日露戦争の二〇三高地で判明した事だが、日本兵はロシア兵の迫撃戦に這々の体で逃げたそうである。つまり、大和民族は元々平和的な民族だとも言える。
さて、こう言った戦いによって、血の気のある者が沢山冥府魔道の世界へ行っていただいた。残った臆病者が敗戦後日本に戻り、団塊の世代を産むに至る。従って、平和な日本は70年以上平和を保てている。つまり、彼らが冥府魔道の道へ迷い込んだのもあながち間違いではないようだ。
問題は一緒に犠牲になった敵国や植民地や自国の国民の死だ。
「北見!貴様、疲れているだろう。元気が無いぞ。ほら、栄養剤」この栄養剤とはヒ◯ポンの事である。つまり、◯醒剤の事。それが無いと戦えないと言う事。つまり、空元気と言う証明。
製作年 1960年
製作国 日本
劇場公開日 1960年4月26日
上映時間 118分