劇場公開日 1970年5月2日

「改めて観る意義や意味はあったのかと問われると口ごもってしまう」青春喜劇 ハレンチ学園 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0改めて観る意義や意味はあったのかと問われると口ごもってしまう

2019年12月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

永井豪の名作ハレンチ学園の映画化作品
漫画は日本の漫画史に残る程の意義と意味を持つ
そして、その前に本当に楽しいギャグ漫画でもあった

本作を観ようという人は、原作の漫画を読んでいるはずだと思う
そうでなければ、いきなり本作から観るわけも無かろう

だから、漫画のキャラクターのイメージを絶対に求めてしまう
しかし本作は、それとはかなり距離があって、そのイメージを求めて観るとがっかり感がある

本来ならアニメで製作されるべき作品だ
おそらくは末期の日活がとにかく「映画」を撮りたかったのだろう

とは言え超ひさびさに観てみると、それぞれのキャラクターの特徴を掴んで配役もされ衣装とメーキャップも頑張っていたことは意外であった

70年代に活躍をしたコメディアンが大勢出演しており、彼らの勇姿を観ることは楽しい

また左卜膳の出演は、老人と子供のポルカで大ヒットを当てたばかりのところで大変にタイムリーだったはず
しかも彼はこの1年後には永眠しているのだ

本作は、彼のフイルモグラフィからも抜け落ちたりする位の扱いしかされてないが、このヒット曲が流れる本作を無視すべきではない

お色気シーンは現代の基準ならば健康的なもので微笑ましいほどのもの
児島みゆきにも淫靡さはまるでない
健康的な幼いセクシーさだ
同じ日活のロマンポルノの影は全くない

強いて言えば、現代で言う所の教師から生徒へのセクハラ、パワハラが学校の現場には当たり前にあること
教師は聖職者ではなく只の人間でしかないのだということ
生徒達も教師に対する尊敬を失って、学級崩壊しているということ

これらをカラッとした空気で、コミカルに描かれている

しかし、これは全て原作の漫画に由来する事であり、本作の価値とは言いきれないものだ

だから本作に、改めて観る意義や意味はあったのかと問われると口ごもってしまう

あき240