劇場公開日 1980年3月15日

「沢山泣いて、心が温かくなって、登場人物達のこれからの幸せを願って 良い映画ってそう言うものだと思います」遙かなる山の呼び声 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0沢山泣いて、心が温かくなって、登場人物達のこれからの幸せを願って 良い映画ってそう言うものだと思います

2020年5月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

すぐに気づくように本作はシェーンの見事な翻案です
シェーンも実は奥さんとシェーンとのメロドラマこそがテーマだったのだと思います
そのシェーンから奥さんを未亡人にする事によって、よりテーマを明確にしています
武志のキャラクター造形と子役の吉岡秀隆が素晴らしく、逞しい健さんの肉体との対比で男児には父親が必要なのだという説得力が半端ありません

山田監督、高倉健、倍賞千恵子のゴールデントリオで、

シェーン
黄色いハンカチ
網走番外地

これらを三大噺のようにかき混ぜて高い次元で一つの物語に結実させている本当に見事な脚本です

現代に置いては、シングルマザーの物語としても観ることもできます

そんな詰まらない理屈なんかどうでもいいです
のっけから山田監督ワールドに引き込まれて、あっと言う間の2時間です
終わって欲しくない時間です
沢山泣いて、心が温かくなって、登場人物達のこれからの幸せを願って
良い映画ってこう言うものだと思います

あまりに泥臭くたってそれでいいんです
名作です

ラストシーン
健さんが黒に近い濃いグレーのジャンパーの中に着ていたのは、祭りの日に民子が買ってくれた新品のニットシャツでした
武志はおじちゃんに言われたことを守ろうと必死に泣くのをこらえていました
そこで涙腺が崩壊しました

あき240