「汗!汗!汗!」張込み(1958) 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
汗!汗!汗!
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松本清張原作の映画化の中では、最高傑作の呼び声が高いのがこの作品。
ある夏の暑い九州佐賀県。
女は日々の日常を、ただロボットの様に過ごしていた。
冒頭から最後まで張り込みをする刑事の顔から滴り落ちる汗!汗!汗!。
その暑さが偲ばれる。
満員の夜行列車で佐賀まで。青春18切符で実際にその辛さを個人的に経験している(現実的にはもっと辛らい筈)だけに感慨深い。
映画は主に若い刑事役の大木実の視点によって語られて行く。
次第次第に張り込みをされる高峰秀子の悲しい人生に肩入れしてしまうのは、自身の恋愛と対象させているからに他ならない。
大木実の視点から語られながらも、ワンシーンだけ彼との恋愛関係に悩む高千穂ひづるの家庭環境と、高峰秀子の住む家の中でのワンショットだけは少し違和感が有ったのが残念でした。
普段の日常を、感情を持たないロボットの様に毎日を過ごしていただけに。高峰秀子が最後に流す涙の意味は、女の惨めさを強調しており映画に深みを与えています。
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