劇場公開日 2000年12月16日

「極限に追い詰められた子供は大人を噛む」バトル・ロワイアル shinさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5極限に追い詰められた子供は大人を噛む

2020年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「ザ•ハント」を見終えてタイムリーに、それともこのタイミングを狙ったのか、CSでやっていたので久し振りに観ました。

本作のほうがよっぽど殺し合いに意味があり、ストーリーもメッセージもテーマもしっかりあったと思う。

柴咲コウや栗山千明らが高評価されるのはもちろん、他の生徒役の俳優人たちもかなりの好演だったと思う。

それにしても、ビートたけし以上にあの教師役が相応しい人物がいるだろうか。

残酷なゲームをおちゃらけた口調で説明したかと思うと、突如ドスの効いた声で生徒を恫喝する。後の北野作品によく表れる静と動は表裏一体であり、動の瞬間の怖さがより一層際立つやり方だ。

公開当時だいぶ物議を醸した作品だけれど、今ならもっと非難批判されているかもしれない。

人は極限に追い詰められたら何でもしてしまう残酷な生き物、というのを中学生の殺し合いを通して伝えてしまうあたりはとても刺激的だし、人間の残虐さがより伝わると思う。ただ、残忍な殺し方ばかりクローズアップされてしまうのは仕方ないとしても、もう少し大人対子供となってしまった背景が描かれていたら、残酷な殺し合いにより一層意味を持つ気がした。

Ichi