HAPPY PEOPLE

劇場公開日:

解説

人間の心に潜む狂気を描いて人気を博している釋英勝による同名コミックを映画化した3話仕立てのブラック・コメディ。監督はOV『HAPPY PEOPLE』の鈴木浩介。脚本も鈴木が手掛け、撮影は「MISTY(1997)」の篠田昇が担当している。主演は「トイレの花子さん(1995)」の緋田康人、「宮澤賢治 その愛」の尾美としのり、「汝殺すなかれ」の平田満。16ミリからのブローアップ。R指定。

1997年製作/80分/R/日本
配給:ゼアリズ=バップ
劇場公開日:1997年9月27日

ストーリー

「いつからか僕は」郊外に一戸建ての家を構え、家族にも恵まれたごく普通のサラリーマン・石井は、いつからか気に入らない奴を殴り殺すという危ない妄想を抱くようになっていた。今日も肩がぶつかったサラリーマンや愛想の悪いOLを惨殺してやった石井は、帰宅途中、信号待ちをしていた青年に子供への土産であるケーキを落とされ、彼を殴りつける。血だらけで倒れる青年に何度も凶器を振り下ろす石井は、すでに妄想と現実の区別がつかなくなっていた。 「意味もなくみんなで笑おうハッピーに!!」高校教師の川端は、クラスの不良の杉本たちに暴力をふるわれても、ただ笑って決して手を出そうとはしない男だった。ある日、川端は同僚の新居浜から飲みに行こうと誘われる。新居浜はいつものように愚痴をこぼすが、話を聞いてくれるはずの川端の態度が、今日はおかしかった。早々に引き上げた川端が忘れていった手帳を見つけた新居浜は、その中に詳細に記された杉本たちの行動記録を見て驚く。その日の欄に“チャンス”と書かれているのを発見した新居浜は、慌てて杉本の家に向かうが、そこには不良グループを惨殺している川端の姿があった。 「ピアスをはずせ!!」池田病院の院長の池田進は、市長選にも立候補中の地元の名士であった。そんな彼のもとに、ある夜、瀕死の重傷を負った女性・みゆきが運ばれてくる。大病院からの救急車が到着するまで、池田は必死に彼女を助けようとするが、実はその女性は、池田の不肖の息子・明が仲間と強姦した上、彼女の恋人とともに殺したはずの女だった。彼女が助かれば自分の悪事がバレてしまうと恐れる明と、息子の不祥事でキャリアに傷がつくことを恐れた池田夫婦は、良心との葛藤の末、結局みゆきを殺してしまう。翌日、皮肉なことにそれまでバラバラだった池田一家はこの事件によって絆を深めたが、死んだはずのみゆきの恋人が生還していようとは知るよしもなかった。

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