「感動的だが評価が難しい作品でもある。」ハチ公物語 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
感動的だが評価が難しい作品でもある。
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本作では、上野教授の死後、ハチが人間達に翻弄され、野良犬として孤独死する。史実と大きく異なる点に加え、これをフィクションだとしても、人間のエゴや傲慢さを感じる人もいるのでは無いかと。
ハチ公の晩年は野良犬ではなく、実在した上野教授宅出入りの植木職人・小林菊三郎(劇中の菊さん)が存命で、ハチをずっと可愛がったのだが、小林宅から渋谷駅や旧上野邸に、毎日通っていた。
当初は渋谷駅で虐待に遭遇したが、新聞報道を契機に善意の輪が広がり、生前にハチ像の除幕式にも参加している。ただし、犬を飼う知識が少なかった時代に、様々な餌を与えられたせいか、フィラリアで亡くなった。
とはいえ、ご主人を記憶し続ける犬の悲劇を、しみじみとしたタッチで感動的に描いていて、最後まで退屈することは無い。評価が難しい作品だし、今の若い世代が本作を見てどう思うか、凄く気になった。
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