爆破3秒前のレビュー・感想・評価
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3秒前にあまり意味はない
戦後の日本にはCIAやMI6のようなスパイ組織は馴染みが薄いので日本のスパイ映画といえば大映、市川雷蔵主演「陸軍中野学校(1966)」のような戦時中が舞台のものだったがイアンフレミングの007やテレビのスパイ大作戦(1966~)の人気もあり本作や東宝、三橋達也主演「国際秘密警察シリーズ(1963~)のような和製秘密工作員の活劇が作られたのでしょう。
ハニートラップには見向きもしないところはジェームズボンドと違った硬派な諜報員矢吹貢(小林旭)、戦時中に軍が隠匿した宝石を巡るギャングとの争奪戦、奪えない時は処分しろとの命令で爆薬を仕掛けるのでタイトルの「爆破3秒前」となるのだが3秒前にあまり意味はない、「ゴールド・フィンガー(1964)」で7秒前と寸でのところでボンドが時限爆弾を解除するエピソードに便乗しただけでしょう。
小林旭は高橋英樹より6歳も年上なのに貫禄負け、主役を張ってもチンピラ風にしか見えないところが残念です、邦画になるとスパイも忍者もどきに見える演出は滑稽なのですが、高層ビルからのロープでの脱出などトムクルーズのミッション:インポッシブル以前にこんなアクション映画を作っていたとは、見直しました。
ただ、フォーマットは日活お得意のギャング映画、妙な外国人、サパークラブでの歌謡ショーなどお馴染みでしたね。貧乏サラリーマンには敷居の高いナイトクラブの雰囲気が味わえるので本筋と関係なくても入れるのがお約束、いわばインド映画のミュージカル挿入と似たり寄ったり。
頭脳戦はあまりなく、ボンドを真似た秘密兵器もライターくらい、結局見せ場はドンパチ、本家に負けまいとヘリまで使って頑張っているのは涙ぐましい。
それにしても出てくる女優さんは皆殺されるし、犬まで絞め殺すのはやりすぎでしょう、昭和の時代感覚はそんなレベルだったのかと再認識・・。
嗚呼、スパイ映画がギャング映画に…
小林旭の1967年の日活作品。
内務局諜報部の工作員・矢吹は、戦時中に日本軍が某国から略奪した財宝を私物化しようとする一味を追う最中、敵側のボディガードとして雇われていたかつての同僚と再会する…。
あらすじはなかなか面白そうなアクション作。
なので、いつもの小林旭出演作品よりちょっぴり期待して見たのだが…
もし、今作られていたら、大作アクションとなっていた事だろう。
しかし作ったのは、当時の日活。
スケール感にも緊迫感にも乏しいB級映画に…。
せっかくのスパイ物の題材を活かせずに、定番のギャング物になってしまっているのが、目を当てられない。
小林旭はアウトローの役柄は合うかもしれないが、アクション俳優には体の動きが鈍過ぎる。
対する若き日の高橋英樹の方が儲け役。
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