博奕打ち 総長賭博のレビュー・感想・評価
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笠原和夫の脚本が兎に角物凄い
強烈でした、正に呆然自失
見終わってしばらく動けなくなる程
三島由紀夫がギリシャ悲劇に例えて絶賛したというのは大いに頷けるものです
脚本が兎に角物凄い
なにも憎くもないのに殺し合い、自殺しどんどん死んでいく
自ら相手の向けるドスに刺されに身体をぶつけにいく人間までいる
殺したくないのに殺していく
脚本は笠原和夫
本作の5年後には仁義なき戦いを書く人です
12年後の1980年には二百三高地を書いた人です
その実力が既に本作で爆発しています
鶴田浩二、藤純子、桜町弘子、はじめどの出演者も端役まで皆すばらしい演技を見せます
若山富三郎の頭部の刀傷の特殊メイクは素晴らしいもので感嘆しました
演出も撮影もうなるものです
特に早朝の神社での襲撃シーンは白眉です
痺れました、名作です
美学
なんとも重厚な物語だった。
それこそシェークスピアばりの。
男も哀しいし、女も哀しい。
様々な絆としがらみがあり、それ故に起こる悲劇というか美談というか…今の価値観からは到底導きだせないものがある。
今の若者たちには「バカじゃないの?」と一蹴されそうである。
でもね、なんていうかそれでも美しいと思えるのは、そういう関係性に憧れがあるから。
劇中の誰かと誰かのように、そこまで想える誰かをいつも探しているのかもと思える。
そして、昔の俳優は芝居がうまかった。
…息をするかの如く、厳然と揺るがない存在の仕方に感服する。
ただ、主役の激昂を確かめたかった。
若山さんのカチコミは震えがきそうなほど真に迫ったものであり…その兄弟分と称される人物の狂気を見てみたかったなあ。
なんで、子分が若山さんを止めたのか…それが分からない。
渡世のしきたりとか、想像もつかないから理解しようもないんだが。
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