PERFECT BLUE パーフェクトブルーのレビュー・感想・評価
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時系列で犯人の行動を考えると巧みに作られている
めっちゃ怖かった
恥ずかしながら何も知らなくて、SFか何かと思って観に行ったらめっちゃ怖かった。
これが四半世紀前の作品とは、驚き。
これ以降、類似作や模倣作がたくさん作られているのでしょうが、慄きつつ楽しめました。
我ながら、馬鹿なのか素直なのか、犯人が途中でわかるとか話の展開を読むとかが、全くないので(上手く観せてくれる作品に限ってですが)、驚愕の作品でした。
今ならあの男はあんな気味の悪い容姿でなく、普通のどこにでもいる人物みたいに描かれるんでしょう。その方が怖い。
とにかく音楽、音響、効果音が素晴らしかった。
(前日に観た作品の音声が酷くて残念に思ってたので、今作の音の入れ方、消し方、良さが際立っていたように感じました)
これが25年前の作品だなんて…。
アイドル卒業も・・・大変
アイドルグループCHAMを脱退し、女優へと転身を図った霧越未麻は、ドラマの中でのレイプシーンや乳首を出したヘアヌード写真集など、これまでのアイドルのイメージを覆す仕事の連続に戸惑いながらも、着実に知名度を上げていった。そんな中、彼女のヌード写真を撮影したカメラマン、仕事を受けた事務所の関係者などが次々と殺される連続殺人事件が発生した。ネット上では未麻の名をかたって日記を書き込む人物が現れ、彼女は次第にストーカーに怯えるようになり・・・てな話。
25年くらい前の作品なので、ストーカー規制法が施行されるより前の公開だから、今だと違うなぁ、とは思うが、こんなことが社会問題になって法律が作られたんだろうと観ながら思った。
アイドルがグループを脱退し、ヌード写真集を出す、なんてことも現実には有ったし、後にはAVに転身し大成功をおさめた三上悠亜のような例もあるから、今だとそんなに悲観するような話じゃないとは思うけど、とにかく、ストーカー規制法が無かったら怖いなぁ、って思った。
最後のマネージャーのおばさんが一番怖かった。
アニメの方に書ける人がいる
これは、監督もすごいけど、原作・脚本がすごいね。
あれだけ「タイムループなの?」「幻影なの?」という展開を入れてきて、最後に破綻なく、納得いくようにまとめてくる。ミスリードのやり方もすごくうまい。
これだけ書ける人が、実写ドラマでなく、アニメの方にいたんだと思ったよ。
「この頃は漢字TalkじゃなくてmacOSになってたのか」「Netscape Navigatorだ」「電話につながってるからモデムだな」みたいな当時のテクノロジーも懐かしかった。
そしてアイドルがアイドルだね。まだ偶像崇拝。
制作が1997年だったからモーニング娘。がデビューした頃だね。この後に会いに行けるアイドルが出てきて、地下アイドルも出てきて、いまはちょっと感覚が違うと思うの。
それとアイドルオタクの描写がうまい。リアリティがある。
華やかな世界にいる人たちが想像で書くオタクと違うんだよ。業界違うってすごいね。
ミステリとしても「なるほど」と思うつくりだし、ほんとスゴイなと思ったよ。
今敏監督の傑作リバイバル上映に感激!!
なかなかの混み具合、さすが伝説級作品の4Kリバイバル上映、しかも観客の半数ぐらいが若い女性なのが印象的でした
現実と劇中劇のドラマ、そして幻覚(妄想)の3つの世界を行き交う多重構造のストーリー展開で観客を大混乱に陥れ、終始 息を呑むほどの緊張感に縛りつけられたまま一気にラストまで連れて行かれる、とんでもない熱量を持った今敏監督の演出に圧倒されます
アイドルとカメラ小僧に代表する昭和サブカルチャーからバブル崩壊後のインターネットや携帯電話の爆発的普及前夜が時代背景になっており、その辺をリアルに青春時代で過ごした身としてはとても懐かしく、ノスタルジックな気分に包まれ、これを再び劇場空間と大画面で今の若い世代の人達と観るという体験ができるだけで感動的でした
そんな世界観を描いた独特なタッチの映像がすごくレトロで魅力的な上、主役の未麻の映像もとても可愛くて魅力的
というのとは裏腹に他のキャラクターデザインがとても醜悪だったり、バイオレンスや性的な描写に加え、バックに流れ続ける不穏なBGMで終始 緊張で身体が硬直した感覚に包まれます
タイトルロール以降、徐々に狂気の世界に引きずり込まれ、ラストまで突き進む、このとんでもない破壊力に呑み込まれ、内容自体1回では理解しきれず、観た後、直ぐにまた始めから観直したくなる中毒性のある作品、久々に観たけど、何度観てもやっぱり面白い、傑作です
妄想と現実のギリギリのバランス
現実と幻覚が混じり合う
『ラストナイト・イン・ソーホー』っぽい。
アニメですが大人向け、ジャンル的には、サイコホラー?サイコスリラー?
原作は小説だそうですが、僕は読んでおりません。
この映画版は大幅に変えてあるそうです。
エドガー・ライト監督が『ラストナイト・イン・ソーホー』のインタビューで、
「60年代、華やかなショービジネスの裏で性的に搾取された女性が相当いた」
みたいな事を言ってて、この映画を観ながら、同映画を思い出しました。
このレビューを書くにあたってググってみたら、やっぱ言われてるみたいですね。
ぽい、類似点ある、って、
『レクイエム・フォー・ドリーム』
『ブラック・スワン』
も、そうらしくて、
監督のダーレン・アロノフスキーは、この『パーフェクトブルー』を実写化したいとも思っていたんだとか…
いま名前を上げた映画が好きな方は、比べてみると面白いかも?
あっ、この映画は、あるアイドルの話です。
このアニメがしたこと
多分一般受けはしないだろうと分かってて作ったのだろうと。
そもそもこの監督は一般大衆からズレた所をやりたい人だったと思うので、映画作品としてはそこまで評価されてない。
ストーリーは猟奇的だがバブル以降にサイコスリラーやサイキック系ミステリーの作品というのは一種のブームでもあった。
この作品で凄いのはアニメでどこまでの描写をかけるのかという部分がふんだんに盛り込まれている。
同じシーンを実写で撮り直したら、どれほど陳腐でレベルの低いシーンになってしまうか想像すると分かりやすいかもしれない。
見る側は素通りしてしまうシーンも、もし自分が書く側、作る側だった場合に こんなにパンチの強いシーン切り取れるだろうかと考えると監督の才能が伺い知れる。
終盤の幻影が空を華麗に飛びながら主人公を追うシーンの軽やかさや不気味さはアニメでしか描けない
これを実写CGでやるとリアルが過ぎて安っぽいものになってしまう
アニメは誇張表現なので、いかに偽物をリアルに感じさせるかというのは監督の手腕とセンスにかかっている
この映画はジブリ作品とは別の意味でアニメーションを追及しており、全編あらゆるシーンにおいて新しい表現を切り開いたり挑戦しているのが評価されている部分だと思う。
監督の残した中で作画的な最高傑作ではないかと思う。
今見ても面白い
素晴らしい映像世界が広がる傑作
本当に見事なサイコ・スリラー!
今敏監督の才能から生まれる素晴らしい映像世界が広がる傑作。
ある三人女性アイドルの1人が「卒業」を発表し、アイドルから女優への脱皮を図ろうとするのだが、彼女を女優にしようとする関係者が次々と惨殺されていく。
犯人は? 彼女はどうなる? といったことを想起させながらも、現実と夢(もしくは虚構世界)を混在させる描写に混乱させられる。しかし、脚本が確りしているので、確かな着地を見て映画が終わる。これは、まさに「映像に浸る快感」であろう。
本作は、他の今監督作品とは趣きが異なる[R15指定]の世界。
また、キャラクター原案:江口寿史 とクレジットされているが、キャラクターを見る限り、本当に原案は江口さんが描いたのかも知れないが江口キャラとはチョット違う感じ。
今敏監督の遺してくれた作品は、いずれも素晴らしいだけに、本当に惜しい映画作家を亡くした…と思いながら、楽しませていただくのが監督への感謝だと思う。
<映倫No.115183>
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