女番長 野良猫ロックのレビュー・感想・評価
全6件を表示
タランティーノのファンならばマスト 観て得する映画だ
これは隠れた名作!面白い!
というか既に海外でカルト的な人気を集めているという
タランティーノなら絶賛するのは間違いない
1970年5月の公開ながら、その年の11月に起きる三島由紀夫市ヶ谷割腹自殺事件で有名になる盾の会をモチーフに据えているのは凄い
恐れいった
その手下として主人公達と敵対するのが新宿百人町にアジトを持つ暴走族で、彼らは黒シャツをユニフォームにしていてイタリアのファシスト党との類似をみせるのだが、政治的なメッセージはその程度
大人に利用されるろくでもない連中と、自由に遊びたい若者達との抗争と言う構図がメイン
ニューシネマに呼応して、タイトルにあるようにロック音楽と当時のヒッピー的風俗を効かせてあるのが素晴らしい
歌舞伎町の伝説のゴーゴー喫茶サンダーバードでのロケは資料映像としても一級品
そこで演奏される、サイケ調であったりの楽曲も感涙もの
劇中の伴奏もそれまでのチンケな日本のアクション映画のものから脱しています
不良少女達の衣装も当時のスタイルを反映していて格好良い
トンボサングラスとかサイケスタイルのアレです
物語は基本西部劇
流れ者のガンマンがアコ
大牧場の旦那、その手下のカウボーイ達という風に簡単に読み替え可能です
とにかく20歳の和田アキ子がいい
後のパムグーリアのコフィを思わせる
歌もR&B風味がでていて素晴らしい
23歳の梶芽衣子も後の活躍を十分に予感させるものだ
彼女のフリンジの沢山ついたワンピースが素敵だ
范文雀22歳も素晴らしい存在感だ
新宿でフラフラした経験のある人なら、半世紀昔の新宿の街並みだけで目が釘付けになることは請け合いだ
まだ西新宿の高層ビル群は建設中で、京王プラザホテルだけが鉄骨が高く組み上がってきている程度、ほかは西部劇の荒野のような広大な工事現場だ
だからバギーとナナハンが見事に活きているのだ
それ以外の東口から新宿通り、歌舞伎町の中、百人町の辺り、しょんべん横町のロケも興味深い
都電の線路はゴールデン街の四季の道のところだし、都電の車庫は今の新宿文化センターだろう
アコとメイが出会ったガソリンスタンドは新宿2丁目、そこから靖国通りを西新宿に向かう
さすがに1970年の当時は古すぎて知らないが、現代と地続きの街並みというのがはっきり分かる
なにしろ、さくらや、伊勢丹、アメリカ屋靴店、ワシントン靴店とネオンと広がるのだ
そしてクライマックスのナナハンとバギーでの西新宿でのカーティス!
三又の新都心歩道橋をナナハンが疾走!
西新宿の地下街へ地下街入り口の階段から、ナナハンとバギーが突入!
そのまま地下街を突進!!
うおーっとひっくり返ってしまう
今では絶対に有り得ない撮影だ
凄い映像だ
タランティーノのファンならばマスト
観て得する映画だ
かっこいい女
アコが歌う姿、身長もあるし声もソウルフルで本当にかっこよかった。
同性にモテそうな雰囲気がバシバシ出ていた。
なかなか痛々しいシーンもあるのだが、全体的に昔の不良感が楽しめ、どこか安心できる作品だった。
全6件を表示