ねらわれた学園(1981)のレビュー・感想・評価
全23件中、1~20件目を表示
薬師丸ひろ子を愛でる作品 by 大林宣彦
1981年公開、配給・東宝、製作・角川春樹事務所。
【監督】:大林宣彦
【脚本】:植木昌一郎
【原案】:葉村彰子
【原作】:眉村卓〜『ねらわれた学園』
主な配役
【三田村由香】:薬師丸ひろ子
【関耕児】:高柳良一
【高見沢みちる】:長谷川真砂美
【星の魔王子】:峰岸徹
1.ザ・角川映画
稀代の冗談映画『金田一耕助の冒険』で初タッグを組んだ2人、
角川春樹&大林宣彦コンビが放つ、薬師丸ひろ子のプロモーション映画。
◆眉村卓の文庫本をガンガン売りたい
◆『野生の証明』でブレークした薬師丸ひろ子の人気をさらに沸騰させたい
そんな角川春樹の純な?(笑)野望を形にしてみせた、大林宣彦監督。
映画としての出来映えは二の次?
という疑念にもうなづけてしまう。
2.眉村卓と少年ドラマシリーズ
1977年に『ねらわれた学園』を原作としたテレビドラマがNHKで放送された。
「少年ドラマシリーズ」とされた18時05分からの30分は、いまから思えば魔法の時間だった。
◆『タイムトラベラー』〜筒井康隆『時をかける少女』
◆『七瀬ふたたび』〜筒井康隆
◆『怪人オヨヨ』〜小林信彦『怪人オヨヨ大統領』
◆『暁はただ銀色』『夕ばえ作戦』〜光瀬龍
◆『気まぐれ指数』〜星新一
◆『つぶやき岩の秘密』〜新田次郎
◆『霧の湖』〜久住十蘭
ほか多数
いわゆるジュブナイルにとどまらず、井原西鶴や松本清張なども原作として用いて、上質なドラマが多かった。
眉村卓の作品は、
『ねらわれた学園(ドラマタイトルは『未来からの挑戦』)』、
『名残の雪(ドラマタイトルは『幕末未来人』)』、
『なぞの転校生』
がドラマ化された。
話がそれてしまったが、
言いたかったのは、そういう作品群の突拍子なさ、他愛のなさ、都合良さに慣らされていて、
本作を劇場で観たときも、なんの違和感もなかった。
したがって本作の受け止め(評価)は、世代によってなかり異なると思う。
3.薬師丸ひろ子
彼女は、突き抜けた美女でもないし、演技をどうこう言う感じでもない。
ただ、間違いなく時代のアイコンのひとりだ。
「か・い・か・ん」は別の作品だが、それを含めて、
ちゃんと角川の看板娘を演じ続けた。
薬師丸ひろ子は、薬師丸ひろ子だ。
誰かに例えるのは難しい。
4.まとめ
作中のセリフ回し、空気感、、、
当時の中でもフツーではない。
「東京の高校はこうなのかー」
なんて思いながら観ていた。
青春に帰れる作品のひとつ。
唯一、峰岸徹はミスキャストでしょう。
☆4.0
原作無視も甚だしい
インチキおじさん達 VS 守ってあげたい人
ここでの評価が物凄く低いのはとてもわかる気がする。
大林監督作品ってこんなだったか?
かなり内容がないよ~
................................................................................................
主人公の薬師丸は超能力者。滅多に発動しないが自分でその片鱗には気付いてた。
そんな折に女生徒が転校して来ていきなり生徒会長に立候補、当選。
そして学園の支配が始まる。その裏にはこの女生徒らが通う塾の塾長がいた。
これが宇宙人で、何か知らんけど地球やその学園を支配しようとしてたみたい。
超能力者の薬師丸も仲間に引き入れようとするが、薬師丸は断り続ける。
そして最後、薬師丸の昭和節「私は死んでもいいからみんなを助けて」が炸裂。
その献身的な行動に混乱した宇宙人は、改めて生き方を考え直すために帰った。
................................................................................................
特撮も随所にあったけど、かなりチャチ。
内容が全くなくて、薬師丸ファンのための映画って感じ。
高校生だった30年前、何故かこの映画のタイトルが有名だった。
麻雀とかしてて、誰かに狙われると、決まってこの言葉が出たものだ。
それで初めて見てみたのだが、30年越しにスッキリしたわ(場)
アイドル映画?いや、コメディです。
たまたま松任谷由実の「守ってあげたい」をラジオで聴いたのでAmazonで鑑賞。何故か主題歌は有名ですよね?
冒頭のキレキレじゃないダンスを見て「いったい何を見せられているんだ⁉️」って思ったのですが、薬師丸ひろ子のアイドル映画だっとハッと気が付きました。どうでもいいんですけど、40年前って日本人の体格は今よりゴッツかったんですね。皆さんがたいがいいです。運動場の水道の蛇口から直接水飲んだり、家では和服だったりと時代を感じます。
って変な宇宙人出てきたー‼️いや、宇宙人じゃないのか?単なるコスプレオジサン?ヤベェ、これはコメディだったんですね。超能力を持ってしまった少女の戦いって作品解説してあったのですが、もう全く予想の斜め上を行く展開でした。うん、面白くはなかったです。
ねらわれた映画
大林宣彦監督1981年の作品。
本作を機に、何度も映像化されていく眉村卓の青春SF小説。
ある日突然超能力を持ってしまった女子高生。謎の転校生美少女と彼女を送り込んだ“栄光塾”との超能力バトル…!
中でも本作は特に有名。所謂角川のアイドル映画を確立。
大林作品としても認知度は高い方ではなかろうか。『時をかける少女』は“尾道三部作”の一篇だが、個人的にそれに続く“アイドル×青春ファンタジー”の一篇と括っている。
『時をかける少女』は心に残る作品ではあったけど、出来映えなど完璧に褒められるものではなかった。それに増して本作は…。
原作からヒロインの名前変更は賛否分かれる所。
が、薬師丸ひろ子の初々しさ、可愛さについてはあれこれ言う輩は居るまい。
だって、彼女を見る為のアイドル映画なのだから。
松任谷由実の主題歌『守ってあげたい』に乗せて登校するOPは、まるで彼女のPVのよう!
今では素敵な名女優だが、昔は本当に可愛らしいアイドルだったんだなぁ…。
彼女と対する転校生美少女、長谷川真砂美のヒール&クールっぷりもいい。演技は下手だけど。
しかし、だ。
序盤は普通に青春映画として悪くない。
みちるが転校してきて生徒会長の座に就いてから、色んな意味で異様になってくる。
そしていよいよ、学園を世界を支配しようと動き出す“栄光塾”。
ここから一番の見せ場なのに…あれれ~??
黒幕、魔王子。ヘンテコかつら、白塗りフェイス、土手っ腹には大きな目玉、安っぽいマントの如何にもな世界征服スタイルはまるで宴会芸。峰岸さん、いい役者なのに…。
超能力やサイキック・バトルはアニメーションやオプティカル合成を駆使し、大林監督ならではのユニークな表現。でも、『HOUSE/ハウス』や『時をかける少女』より特筆さに欠け、すばり言っちゃうと、チープ…。
見た後、不思議な心地良さや余韻が残るのが、大林ファンタジー。
だけど本作は、ノスタルジックさも、ファンタジスタさも、オリジナリティーも、何も感じられなかった。
ひょっとしたら、大林監督でも太刀打ち出来なかった何者かが、超能力で本作を駄作にしようと狙っていたのかもしれない…。
これは東映聖子 松竹寅さんに対抗するためのタノキンと組んだ東宝
新宿副都心
まあまあだった
舞台が西新宿か北新宿で90年代に住んでいたことがあるので、なつかしく感じるが、それより昔の80年代初めが舞台。あんな高層ビル街のすぐ近くで個人商店の酒屋が昔ながらで営まれており、その後訪れるバブルや不況でどうだったんだろう。店主のハナ肇は従業員の鈴木ヒロミツに夕食まで食べさせてアットホームな職場環境を提供している。
薬師丸ひろ子より長谷川真砂美の方が癖のない正統派な美女なのだけど、癖のある薬師丸ひろ子がスターになっていく。登場人物は紋切り型で、実在感がない。薬師丸ひろ子は控えめなようで、勉強が一番であることや学級委員で推薦されることに遠慮がなく、けっこう厚かましい。その上エスパーであることにあまり戸惑いもない。家族のだんらんでおとうさんがお母さんの胸を触ろうとする下ネタギャグをかます。
峰岸徹がお腹に目玉を描いたイカれたビジュアル。手塚真がキモキャラを思い切りよく演じていてすごくいい。彼のクラス団地が荒んでいて気の毒になる。以前見た時の記憶では手塚真がお腹に目玉を描いていたと思っていたが、峰岸徹とごっちゃになっていたことが分かった。
学園が妙に汚れてる印象だがそこも演出?
改めてこの怪作を見てみた。
大林監督のキッチュな映像センス。カオスな学園風景。ノリノリで演じるキャスト。「なんじゃこりゃ」という人が多いのも無理はない。これを角川で撮ってしまうところが並じゃないところ。
この時期のひろ子は原石のような良さがあってそれを愛でる映画と思えば。峰岸徹や手塚眞の怪演も楽しんで見ればよかろう。
高見沢みちるのパワーを秘めた色白美少女ルックスがかなり好み。(長谷川真砂美はこれきりで引退しみたいだ)
チープさも味というか、そこも実験精神だと思える人向きでしょうか。時が経てば好きになることもあると思いますよ。
BS朝日版鑑賞。なんじゃこりゃ(笑) 話の内容がチープにすぎる。な...
尾道三部作の良さがぶっ飛んでしまうほどの出来。女優になりたての薬...
瑞々しい思春期の空想と無敵感とアイドルの大人への背伸びと微かなエロティックにコミカルとポップの衣をまとわせた傑作
本作の原作者、眉村卓先生は今年2019年11月3日に永眠なされました
謹んで御冥福をお祈り致します
先生は日本SFの黎明期の一角を占められ、60年代後半から70年代前半においてはジュブナイルSFの傑作を多数発表され、その多くはNHKの少年ドラマシリーズの原作として取り上げられています
その作品の影響力は凄まじく、本作もまたその系譜に連なります
語られてはいませんが、オタク第一世代の人々は皆その影響下にあるのは明らかなのです
小学校、中学校の夕方の図書室
その匂いの記憶とともに感性の根っこの部分に染み通っているものなのです
本作はその代表作と言えるでしょう
瑞々しい思春期の空想と無敵感とアイドルの大人への背伸びと微かなエロティックに、コミカルとポップの衣をまとわせています
バブルに向かって立ち上がっていく高揚感も背景の新宿西口の高層ビル群によって表現なされています
時代の空気をものの見事にフィルムの中に閉じ込めてあります
大林宣彦監督が本作のあと立て続けに名作を発表し、薬師丸ひろ子がアイドルのスーパースターに駆け上がったのも当然のことだと思います
全23件中、1~20件目を表示