眠狂四郎女地獄
劇場公開日:1968年1月13日
解説
「やくざ坊主」の高岩肇がシナリオを執筆し、「残侠の盃」の田中徳三が監督した“眠狂四郎”シリーズ第十作目。撮影も「やくざ坊主」の森田富士郎。
1968年製作/82分/日本
原題または英題:The Ronin Called Nemuri
配給:大映
劇場公開日:1968年1月13日
ストーリー
旅の途中、眠狂四郎は何者かに襲われて息を引きとっていった密使から、緋鹿の子しぼりの手絡を受取った。そのため、狂四郎は佐伯藩国家老堀采女正と、城代家老稲田外記の権力争いの渦中に巻き込まれていった。采女正派からは外記派の一人と信じられ、外記派からは密書を奪い去ったと誤解され、両派の刺客が狂四郎の身辺に現われはじめた。だが、狂四郎は、密書とは知らずに、手絡を角兵衛獅子のおちかに与えていたのだった。道中、狂四郎はひと目で女と分る男装の旅人に道連れになってほしいと頼まれたが断った。その直後、狂四郎は惨殺死体となったおちかを発見した。手絡は奪われていなかったが、それには「姫国表に向う」という隠し文字が谷川の水で浮び出ていたのである。城下に着くまでに、狂四郎は外記派の刺客辰馬、金と出世が目的で采女正にやとわれた甚内らと剣を交えたり、色仕掛けで狂四郎の命を狙う女たちの手を逃れたり、危ない目にあった。一方、権力の後楯として小夜姫を狙う二派のうち、ついに外記は、男装姿の旅人に化けて国に現われた小夜姫を捕え、幽閉してしまった。しかし、二派の抗争は、その外記が甚内の剣に倒されたことにより決着がついた。やがて、采女正が佐伯藩の実権を半ば手中にして登城する途中、辰馬が采女正の駕籠を襲った。だが中から現われたのは、狂四郎である。狂四郎は、辰馬がおちかの兄で、采女正の妾腹の子であるのを知り、父を討たせまいとしたのだ。だが、辰馬は母子を捨てた采女正に復讐しようとしていたのである。采女正はそんな辰馬を実子と知りながら、卑怯にも短銃で射ち殺した。辰馬に自分と同じ宿命の重さを見る狂四郎は怒り、得意の円月殺法で采女正とその一派を倒していった。