「意外な佳品。」濡れた欲情 特出し21人 milouさんの映画レビュー(感想・評価)
意外な佳品。
若いころの蓮實重彦がゼミで学生に見るよう強くすすめたとかで、確かにロマンポルノらしい支離滅裂な脚本ながら、その適当さ自体に、どこか真にせまるものがある。予算的な制約ゆえのハンディカメラ長回しも、この作品に限っては好感がもてる。とくに白浪のたつ荒れた海へ突き出した埠頭を歩いてゆく女、ステージ上でのレズビアンショー、がよく撮れています。
べったべたの昭和歌謡も、上手に流してぶつ切りにしてをこなしていて、サウンドの感覚が優れていて面白いですね。竹中功的・昭和の人々と、獣のように生きる底辺層の記録。
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