人情紙風船のレビュー・感想・評価
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Showa Classic on the Edo World
Released a month after the Marco Polo Bridge Incident, Humanity and Paper Balloons is an extract of Japan art at the dawn of WWII. It is director Yamanaka's last before he was drafted into the army prior to dying of illness in Manchuria a year afterward. The apex of Japanese production in this era—no director under 30 makes work like this today. At only 80 minutes your focus will be complimented.
とんでもないもの作ってたのな
もう星4.5と5の違いなんか個人的な思い入れの差しかないわけで、戦前のこの映画を観て平伏す以外の選択肢はないわけです。
山下達郎のフェイバリットっていう情報をもとに観てみたらなんとまぁ確かにほんとにびっくりこれはもう映画!としか言えない素晴らしいものでした。
過去の素晴らしい芸術作品に触れて現代の我々が感じられること、それは、もう今の俺たちの問題意識とか美意識とかもう全然過去にもあるから!普遍的なものだから!ってことで、それを約100年前の映画でびしばし感じられてめちゃくちゃ痺れました。
観てみたい観てみようと思った俺自身もしっかり褒めてあげましょう。
山下達郎がこれをフェイバリットにあげているのも、なんていうか、清濁併せ呑む、を表明しているようで、という気持ちになりました。
万引き家族 〜大江戸長屋編〜
Amazonプライムで鑑賞。
貧乏長屋に暮らす庶民たち、ある朝そこに住む老いた浪人が首をくくって死んだと知り、ボンクラな住人たちは迷惑そうに言い合う「なんで首を? 侍なら腹を切るもんだろう」「バカ、あいつが腰にぶら下げていたのは竹光だよ」と(大意)。
一撃で作品全体の世界観が伝わるセリフ。なんつう脚本。不勉強にして歌舞伎の元台本の時点であるのか知りませんが、とにかくうますぎる。。
この会話から、洒落者の髪結い新三と、清貧を地でいく浪人の又十郎を軸に、町人と侍、やくざ者とが絡む悲喜劇が展開していきます。
画づくりはきわめてモダンで、このまま舞台だけを現代の東京に移しても、たぶんまったく古さを感じず、普通に観られるな、という印象。
80年も前の作品のはずなのに、違和感のなさにむしろ違和感を覚えるレベル。
冒頭から、なんでこんなにしっくりくるんだろう? と驚く間もなくドラマに引き込まれました。スピルバーグか。
ストーリーはあまりに身近でやるせなく、でも湿っぽくなく切れ味鋭い。みんな貧乏のせい。
こんなに身につまされるのは、製作された昭和初期が、大恐慌のあおりを受けて現代の日本と似たような世情だったからかも知れません。
追い込まれていく住人たちがだんだんスイミーに見えてくる、お江戸版「万引き家族」。
個人的に又十郎を冷たくあしらう毛利様の言い回しに、我らが首相を連想しました。
映像や音は観られないレベルではないものの、痛んではいますので、今回の4Kリマスター版のように修復を経て、カジュアルに鑑賞されるといいなと思います。
ぜんぜん小難しいところはなく、オーソドックスで普遍的なドラマなので。
これを20代で作った山中貞雄監督は若くして天才と呼ばれたそうですが、今回そりゃ誰だってそう言うよ、普通にと思いました。
オーバーテクノロジー的な映像リテラシーの高さは一体どこから…?
きっと私が知らないだけで、戦前の映画文化はずっと豊かだったということでしょう。
そういう人たちも、才能の芽も、生まれていたかも知らない文化的財産も、あの戦争に数えきれないほど飲み込まれてしまったんだな。
むしろ失敗作
人情紙風船という話を作りたいのだったら・・・相手に人情さえあればこの人は幸せになれたのに・・・という話を書かなければダメだ。サムライにしてもヤクザにしても番頭にしても彼らがどういう事情を抱えているのか全く書かれていない。なにか難しい事情があって親切にしたくてもできないかもしれない・・・と思ってしまう。それじゃあ人情紙風船にならない。娘を人質にしてどうするというクライマックスも実に中途半端。娘を返す条件に自分の賭博場を持つ許可を交渉すればいいじゃないか。上納金はちゃんと払うからって。あ、そうだと思いついてついでに浪人さんの就職も条件に出すとか・・・そうするとその一言が意外な仇になって・・・などともっと練りこめば面白くなっていたんじゃないだろうか?この映画は脚本家が楽をしすぎているように見える。傑作というよりは、むしろ失敗作だと思う。
極めてドメスティックで日本的なようで、グローバルな普遍性を持っていると思います
見事な味わい深い余韻が残りました
成る程名作として多くの日本映画オールタイムベストのリストに必ず挙げられているだけあると思います
その味わいはルネ・クレール監督の名作巴里祭に近いものがあります
もちろんその作品のような恋愛を扱ってはいません
しかし大江戸の空の下に庶民の暮らしがあり、それぞれが懸命に生きていて、ドラマがあり、そしてまた明日も明後日もみな生きていくのです
巴里祭は本作の4年前の1933年の作品ですから、山中貞雄監督はそれを意識して撮ったのかも知れません
貧乏長屋の連中のシーンは女房どもも含めて、落語の世界のようですが、映像として表現されるその動き、会話、表情など、ジブリの宮崎駿監督の天空の城ラピュタなどの庶民が登場するシーンの元ネタになっているのではと思わせる濃密なものです
80年以上昔の戦前の映画ですから、映像は傷んでいます、音声も聞き取りづらくなっています
しかし撮されている映画そのものは現代のものよりずっと内容は優れているものです
セットの美術、衣装、脚本、役者たちの演技
カメラの構図、カット割
何もかも見事なものです
特にラストシーンの新三の結末を語らず、心中の有り様を見せず、大家を呼びに走る子供と溝の水に浮かぶ紙風船のシーンで終わるのは、巴里祭のパリの下町の街並みを俯瞰するラストシーンにも勝る余韻があります
どぶの水のような浮き世に浮かび、流されていく紙風船は貧乏長屋の庶民の暮らしを俯瞰している名シーンでした
紙風船がどぶに浮かぶのも、そこに暮らす人々の人情の息で膨らんでいるからなのです
このような優れた作品が戦前に作れる実力があったからこそ、後年の日本映画の世界的な高い評価をもたらしたのだと思います
もうこの時点で世界最高峰のレベルだったのです
山中貞雄監督は1909年の生まれですから、黒澤明監督のひとつ年上でしかありません
僅か28歳、戦地で病死して本作が遺作にならなければ、戦後はきっと黒澤明監督や、溝口監督らに負けない世界に誇る名作を量産したに違いないと思います
本作は世界的な再評価を受けるべき作品だと思います
極めてドメスティックで日本的なようで、グローバルな普遍性を持っていると思います
是非4Kでのリストアと海外への紹介を関係者の皆様にお願いしたいと思います
前進座総出演と言うことで、戦後の前進座の共産党との関わりから、本作の評価を高い下駄を履かせたものではないかと色眼鏡で見ていた自分を恥ずかしく思います
落ちぶれた浪人が妻に紙風船作りの内職をさせる映画。 浪人が周りから...
落ちぶれた浪人が妻に紙風船作りの内職をさせる映画。
浪人が周りから浮いている感じがしたのだが、下敷きの歌舞伎の筋書きに浪人者を絡ませたというのを知って納得。
金や快楽に元取る愉快な民衆とパンクな男の最期
老武士が首をくくる
長屋の人々の素っ気なく、あっけらかんとした、しかしどこか気持ちの良い態度 「何も久しぶりの晴れの日に首くくるってこたあねえのに。」迷惑な野郎だと。
祝い酒と弔い酒
粋
お駒と忠七の会話 日本人形を映す
隠語でヤクザを呼ぶ 薬 いつものやつ
襖越し二段構造
ヤクザにやられる新三の位置と海野の位置
忠七の照れ屋と男の見栄、プライド、意気地なし、わかるっ
反抗心
毛利と海野
源七と新三
お駒と忠七
いつもの通り 小川沿い
魅力的なキャラクター 市、金魚売りげんこう、猪助、蕎麦屋
話している人を映さず、場面や物を映す。
海野と紙風船
おたきと紙風船
畳を転がる紙風船
海野とおたき 見てらんない
首くくりで始まり、心中で終わる。
新三の行く末は明かされず。
紙風船~
映画が戦争で失った最大のもの
これが28歳の監督の作品とは信じがたい。
ラストの衝撃的切なさが、かくも観る者の心に迫ってくるその理由を知るために、少なくとももう数回は見返さねばならない。
主人公・海野又十郎は愚図な男なのだが、誰も彼を卑下したり、非難したりすることはできない。なぜなら、彼は侍としての矜持のみで生きているような男だからだ。
質屋の娘が長屋に連れてこられたことで、毛利何某との交渉のカードを手に入れたはずなのに、そっちのほうへは少しも動かない。娘を少しの間かくまったことへの謝礼すら拒もうとする。
しかし、謝礼を受け取ってしまったことで、彼の矜持は崩れ去り、生き方を失くしてしまうのだ。生き方を失くす。そうとしか表現のしようがない物語を、単純なペシミズムに陥ることなく、庶民のしたたかさとの対比でもの悲しさを際立たせている。
同じく河原崎長十郎主演の「河内山宗俊」の魅力とならぶ山中貞雄の大傑作である。
戦死という山中監督の悲劇は日本映画界の悲劇でもある。もっと多くの作品を残して欲しかった。
天才監督による悲劇的人情時代劇、1937年公開
天才的映画作家の山中貞雄は、戦前に多くの優れた映画を監督しましたが、本作は彼がなんと27歳頃の作品で、1年後に日中戦争に召集されて戦病死した結果、遺作となってしまいました。
名画の評判高い「人情紙風船」を録画版で観ました。江戸時代の様々な人が暮らす貧乏長屋を中心舞台とした悲劇的結末で終わる人情ものに分類される映画といって良いかも知れません。戦後の(白黒)時代劇映画に大きな影響を与えたシーン、プロットがいくつも想像できました。しかしながら、作品全体としては、今ひとつ印象に残らず、焦点の弱さが残ってしまいました。映画史上、一見の価値はあるが、個人的には、二度目は観ないだろうに分類される映画と思われました。
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