「「抱寝の長脇差」が観たい‼️」人情紙風船 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
「抱寝の長脇差」が観たい‼️
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天才・山中貞雄監督の傑作「丹下左膳餘話・百萬両の壺」と対をなす名作が、この「人情紙風船」‼️江戸深川の棟割長屋。そこに住む貧しい浪人・又十郎は、かつて父の世話を受けた男に士官を頼みに行くが、今日も門前払い。又十郎の女房おたきは事情を知り、諦め半分に黙って耐える。髪結の新三は嫁入り前の質屋の娘を誘拐。仲介役の土地の親分の怒りを買うも一件落着。長屋は酒盛りで大騒ぎ。又十郎が誘拐に協力していたことを知ったおたきは、夫と心中する。新三も親分に呼び出しを受け、生きては帰れまい。今夜も長屋はお通夜で酒が出る・・・‼️人情味あふれる長屋の風景、金魚売りの声、夜泣き蕎麦屋など、市井に生きる人々の哀歓がホントに良く出てますよね‼️ただ前作「丹下左膳餘話・百萬両の壺」のユーモラスな作風に比べると、厭世観というか、死生観に満ちた重厚な人間ドラマになっていて、今作が遺作となった山中貞雄監督の死を予感させる作品になってます‼️特に印象に残っているのは新三と又十郎の対比‼️新三は意地のために質屋の娘を誘拐、遺恨ある親分との対決に命を賭ける‼️一方、又十郎は士官の道を望むも、なかなか上手くいかず、ならず者たちを使われ追い払われたり、土砂降りの雨の中を待ちぼうけを食わされたり、自由を求めるも、わずかな希望さえ奪われてしまう‼️そんな又十郎に残された唯一の道は、女房の手によって果てる事だけだったのかもしれない‼️ホントに観るたびに思いが深まる、美しくも救いのない名作ですね‼️特にラストの長屋の溝に流れ落ちてゆく紙風船の描写は、何度観てもゾクッゾクッとさせられる素晴らしさです‼️
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