劇場公開日 1937年8月25日

「むしろ失敗作」人情紙風船 KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0むしろ失敗作

2020年10月28日
PCから投稿

人情紙風船という話を作りたいのだったら・・・相手に人情さえあればこの人は幸せになれたのに・・・という話を書かなければダメだ。サムライにしてもヤクザにしても番頭にしても彼らがどういう事情を抱えているのか全く書かれていない。なにか難しい事情があって親切にしたくてもできないかもしれない・・・と思ってしまう。それじゃあ人情紙風船にならない。娘を人質にしてどうするというクライマックスも実に中途半端。娘を返す条件に自分の賭博場を持つ許可を交渉すればいいじゃないか。上納金はちゃんと払うからって。あ、そうだと思いついてついでに浪人さんの就職も条件に出すとか・・・そうするとその一言が意外な仇になって・・・などともっと練りこめば面白くなっていたんじゃないだろうか?この映画は脚本家が楽をしすぎているように見える。傑作というよりは、むしろ失敗作だと思う。

タンバラライ