人間の証明のレビュー・感想・評価
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批評は気持ちがいいけれど
え、この映画なんでこんな評価低いの??
『新幹線大爆破』と監督が同じ
という情報につられ観てみました
全体としては確かに色々なところに話を広げて
わかりにくくなっているという印象は受けます
それから、荒い部分も
揚げ足取ればいくらでも出ます
でも、むちゃむちゃ面白いです
それは、この映画には「これが表現したい!」
という切実な思いがあるからだと私は思いました
今の時代には絶対生まれ出ない作品です
レビューはあまり高くないですが
批判は気持ちがいいものです
観るかどうか迷ってる方がいたら
ネットの情報なんか当てにせず
自分の目で確かめてみてほしいです
『犬神家の一族』で好スタートを切ったと思ったら早速馬脚を顕してしまった愚作。「角川映画ダメの証明」になってしまった。
角川映画の特徴を良く示している作品
角川映画というジャンルがかって日本映画にはあったという見本的な作品です
斜陽で貧乏臭い映画しか作れなくなった日本映画界に洋画並みの予算とスケールで映画を撮るための為のビジネスの枠組を作ったところが大きなポイントだと思います
本作はその特徴がよく出ている作品です
海外ロケシーンを多用して、しかも現地の有名俳優を起用して、単なる風景程度をちらりと挿入する程度のそれまでの日本映画とは一線を画しています
またセットも豪華で大掛かりな撮影も取り入れるのも特徴です
本作でもNYシーンは付け足しではなく、松田優作が現地で芝居をしてカーアクションまで派手に撮っています
ニューオータニでのファッションショーのシーンも山本寛斎の手になるものでクオリティはえらく高いものに仕上がっています
大野雄二の40年経とうとも全く古びる事のない音楽
ジョー山中の素晴らしい歌唱の主題歌
そして存在感のある見事な演技
松田優作も名演とは言えないものの、非凡なる存在感は特にNYシーンで顕著に発揮されています
岩城滉一が、NYの風景に浮き上がっているに対して松田優作は溶け込んで違和感が無いのです
角川映画が日本映画の再興に貢献したのは間違いないことだと、これらのことからも頷けます
しかし本作は全体として観ると、映画としては少々粗削りだというのが残念なところです
松山善三というあの人間の條件の脚本を書いたような巨匠が何故にこのような詰めの甘い脚本で良しとしたのか不思議でなりません
本作の脚本は公募で競われたそうですから、あまり練ることも出来なかったのかも知れません
このような洋画と日本映画の格差をなくし、舞台も世界に広く求めるスケールの大きな映画
そして日本の優れた俳優が海外に活躍の場を設けるべきであったと思います
40年前、バブルの10年も前にこの課題に真剣に取り組んだという意味では革新的であったと思います
その道を本作は切り拓いたともいえると思います
ただ、もっと後に続くべきであったと思います
宙を舞うストウハ
角川映画・証明シリーズ第1作。
DVD(デジタル・リマスター版)で鑑賞。
原作(角川文庫・新装版)は既読。
原作に概ね忠実に映像化されていると思いました。ニューヨークでのカー・チェイス・シーンは原作にはありませんが、角川映画らしい無駄な大作感が感じられて大満足でした。
因果は巡る展開が秀逸でした。森村誠一作品らしい、一見別別の出来事と思われていた物事がひとつに収斂していくストーリーにドキドキ。思わぬ伏線にハッとさせられました。
ジョニー・ヘイワードと母親の物語がとにかく哀切極まりない。母と子の情愛の不可思議さを感じました。消し去りたい過去と現在の栄光を天秤に掛けて、過去を抹消すると云う決断を下した母。鬼畜の所業と云われても仕方がありませんが、しかしそこには厳然とした母性が存在しており、一筋縄では括れない人間の機微が隠されているように思いました。
瞼の母と慕い続けていた存在に再会したのも束の間、その胸にナイフを突き立てられたジョニー。その時彼の心に去来したものを考えると、とても胸が締めつけられました。母親に裏切られても尚思慕にしがみつきたかったがために、思い出のストウハに似たホテルの最上階へと足を向けたなんて…
八杉恭子の放った麦わら帽子が宙を舞う。帽子と共に自らも崖下に身を投げた彼女の心情は如何ばかりでしょうか?
印象深く、哀切極まりないラスト・シーンでした。
[以降の鑑賞記録]
2023/07/25:アマプラ(シネマコレクション by KADOKAWA)
※リライト(2020/07/31)
※修正(2024/06/07)
母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
【人間の証明:おすすめポイント】
1.「ストウハ」と「キスミー」から導かれるドラマが凄すぎる!!!
2.ニューヨークのシーン映像が個人的には大好き!!
3.日本最高峰の豪華なキャスティング!
【人間の証明:名言名セリフ】
1.棟居(むねすえ)役松田優作の名言名セリフ
→「私自身の足で ジョニーの本当の母親は誰なのか 決定的な証拠を掴んできます」
→「ばかやろう てめえそれでも人間か てめえいったい日本人何人殺せば気が済むんだよ」
→「あんたの息子 郡恭平は死んだよ」
2.ジョニー・ヘイワード役ジョー山中の名言名セリフ
→「ストウハ」
→「ママ ボクがそんなに憎いかい?」
3.八杉恭子役岡田茉莉子の名言名セリフ
→「刑務所に入れば死んだ人は蘇えるの」
ひどい映画でした
ひどい映画でした。 ストーリーもひどかったのですが、 何より肝心の映画がひどかったです。 退屈なシーンが所々に挿入されました。 肝心のシーン (殺人犯の自殺シーン) が言葉だけでしか語られず、 映像化されていませんでした。 回想シーンは複数の映像を力づくで混ぜたせいで、 まとまりの悪い、 意味不明なないように仕上がっていました。 もう少し まともな人達に せいさくしてもらえたら、 まともな映画になっていたのでしょうが。 残念でした。
ストーリーも劣悪でした。 事件を担当した けいじが なぜか殺人犯と昔 出会っていた、 などの不自然な偶然が次々と発生しました。
ちなみに、 タイトルの [人間の証明] は、 ないようとは関係ありません。
今見ると、戦争を絡めてるのが特殊なくらいでストーリー的には二時間ド...
タイトルなし(ネタバレ)
戦後まもなく、様々な人種がそれぞれ混乱の中を生きていた。
その30年後にそれぞれが再会し過去が繋がっていく・・。
有名デザイナーのファッションショーの最中に黒人男性が殺される。
その捜査をすることになった刑事は、有名デザイナーと戦後の闇市で会っていて、そのデザイナーを助けたせいで刑事は父親を殺されていた。
黒人男性の地元へ捜査しに行く刑事。そのパートナーとなった刑事は父親を殺した一味の中にいた刑事だった。
そんな偶然があるのかというぐらい登場人物がつながっていきます。
また、この殺人事件での裏側で時を同じくして、デザイナーの息子がひき逃げ事件を起こしています。
舞台はアメリカと日本と、さらに事件は殺人事件とひき逃げとエピソードが複雑に絡み合います。
日本人と手を組むのはいやだと思っているアメリカ人、父親を殺されたアメリカ人が憎くてしょうがない日本人、日本人と手を組んでいるアメリカ人を憎むアメリカ人などと、戦争が生んだ感情をそれぞれが持っています。
戦争で傷ついた心や人間性はみんなそのままで、誰も幸せになってない終わり方でした。悲しい。
推理ドラマとしては、霧積をキスミーとした仕掛けがおもしろいと思いました。
戦後という時代だった
「母さん、あの麦わら帽子どこへいってしまったのでしょう・・・」
映画のTVCMで松田優作の声で語られる詩の冒頭。忘れられない広告の一つだ。同時にこれは、映画というものがメディアの広告によって、観客を集めるものなのだと、子供心に印象付けられた出来事だった。
当時の角川映画は、毎年のように大がかりな宣伝と話題の俳優の起用によって、映画の公開が一つの社会的な出来事であるかのような感覚をもたらしていた。
そして、その時代、戦争が終わって30年の月日が経っていた。物質的には戦後すぐの貧しさ、傷跡を克服したかに見えていた日本。多くの日本人が、それはすでに遠い過去のこととして忘れかけていた。しかし、30年という時間は、人間の人生の半分にも満たない。この時代、まだそれぞれの心の中に、戦争やその後の混乱期の傷を抱えたまま生きている人々がたくさんいた。我々の隣にいる人がもしかしたら、そういう人かもしれない。映画は、そのことを我々に語りかけてくる。
この作品に限らず、「犬神家・・・」「野生の証明」など当時の角川映画にはそうした戦後を引きずる人々の悲哀が一貫して描かれている。不幸な時代の記憶を断ち切って、豊かで明るい時代の到来を迎えた人々が抱く不安と希望の表象として、角川映画という社会現象を記憶に留めておきたい。
テレビの二時間ドラマ風な古い演出
総合60点 ( ストーリー:75点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:70点|音楽:60点 )
物語はしっかりしていて、戦後の混乱の中である人々の、特に一人の女のたどった悲しい人生が描かれていた。
だが演出が古臭い。効果音・音楽がテレビの2時間枠でやっている「○×サスペンス」のような使い方で劇的場面を盛り上げようとするのはがっかり。松田優作演じる刑事の押しの強いはみ出しぶりも、現実の警察にはいないけれどこの時代では格好良かった刑事という感じで時代遅れな感じ。大物俳優も出ているしアメリカロケまでやっているようだし金がかかっているみたいだけど、その割には今一つ。
かつての角川映画は面白味があった
アメリカから来た黒人青年が不審な死を遂げ、捜査を進めていくと、高度成長する戦後日本の中で埋もれていったある母子の悲劇が浮かび上がり…。
「犬神家の一族」に続く角川映画第2弾。1977年の作品。
メディアとミックスし、大ヒットした。
このメディアとのミックスは、最近氾濫するTV局主導の映画の宣伝手法。その最初とも言えるのが、角川映画。
昔も今も批判の声はあるが、大きく違う点も。
最近はやれTVドラマの映画化だの、やれ人気優先のスターの起用だの、客寄せが多いが、かつての角川映画の場合、ちゃんと大物俳優を起用したりして本格的なエンタメ映画を作ろうとする意気込みが伝わってくる。
映画は日米を舞台にし、ハリウッドスター(オスカー俳優ジョージ・ケネディ)も出演した大型サスペンス・ミステリー。
正直、強引な展開やご都合主義も感じるが、「砂の器」のようなミステリー+哀しき人間ドラマとして見応えアリ。ジョニーの最期は切ないものがある。
何だかんだ言って、かつての角川映画は面白味があった。
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