「かつての角川映画は面白味があった」人間の証明 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
かつての角川映画は面白味があった
アメリカから来た黒人青年が不審な死を遂げ、捜査を進めていくと、高度成長する戦後日本の中で埋もれていったある母子の悲劇が浮かび上がり…。
「犬神家の一族」に続く角川映画第2弾。1977年の作品。
メディアとミックスし、大ヒットした。
このメディアとのミックスは、最近氾濫するTV局主導の映画の宣伝手法。その最初とも言えるのが、角川映画。
昔も今も批判の声はあるが、大きく違う点も。
最近はやれTVドラマの映画化だの、やれ人気優先のスターの起用だの、客寄せが多いが、かつての角川映画の場合、ちゃんと大物俳優を起用したりして本格的なエンタメ映画を作ろうとする意気込みが伝わってくる。
映画は日米を舞台にし、ハリウッドスター(オスカー俳優ジョージ・ケネディ)も出演した大型サスペンス・ミステリー。
正直、強引な展開やご都合主義も感じるが、「砂の器」のようなミステリー+哀しき人間ドラマとして見応えアリ。ジョニーの最期は切ないものがある。
何だかんだ言って、かつての角川映画は面白味があった。
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