劇場公開日 1973年10月6日

「やっと終わりかと思ってたら続編もあるとか・・・どうしよう」人間革命 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0やっと終わりかと思ってたら続編もあるとか・・・どうしよう

2020年12月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 てっきり池田大作の半生を描いたものだと思っていたら、彼の師である松戸城聖の半生を描いた作品だった。冒頭では丹波哲郎演ずる松戸が刑務所から出所するシーン。東京も戦争により焼け野原になっていて、惨禍を恨めしそうな目で見つめる姿が印象的。

 なぜ収監されたかは中盤に描かれ、神社をおろそかにしそうな思想犯ということだとわかる。治安維持法違反、伊勢神宮への不敬罪という罪名だ。同じく刑務所で暮らしていた松戸の師匠でもある牧口先生が獄死した事実。そして開眼したかのように仏法の悟りを開くのです。

 後半は戦前からあった創価教育学会を立て直す経緯。やがて松戸が会長として会員に教える講義がメインとなる。地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天、声聞、縁覚、菩薩、仏の十界。人は毎日最初の六道を一日で経験していて、それを六道輪廻という!もう、教学ビデオを見ているような感覚に陥ってしまった。そして頂点にある“仏”とは?というのがメインテーマとなる。

 学会員じゃなくても十分価値のある作品だと思うし、「人は苦難を乗り越え、自らを変革する」という教えは生き方の参考にもなる。信教の自由を求めて闘っていた、懐かしい頃の創価学会の創成期。宗教というより哲学といった雰囲気もある。政治によって断罪されたのに、今では与党。これも革命なのか?

 ラストには「仏とは・・・」といった感じで終わるのだが、タイトルが最後に書かれていた。最近の映画では流行りだけど、この73年の時に使われてたんですね!意外でした。

kossy