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極限状態
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真夏の早朝、小さな荷物船・海神丸は東九州の漁村を出航した。船長は亀五郎(殿山)、船頭は八蔵(佐藤)、最年少の三吉(山本圭)は船長の甥、海女の五郎助(乙羽)が便乗した。音楽はジャズっぽいが、乙羽信子の溌剌とした声もあって明るい雰囲気。しかし、夜になると嵐に遭遇。舵がやられ、燃料も底をつき、海神丸は漂流することになったのだ・・・
とうとう食料も尽き、30日が過ぎた。狂ったかのように、人肉を食うことで五郎助をそそのかした八蔵。何度も研いだ鉈で三吉を殴り殺したのだ。ようやく正気に戻ったのか、怖くなって「三吉許してくれ!」と嘆く。そしてまた嵐に遭い、59日目にして彼らはサンフランシスコ帰りの貨物船に救助される。しかし、残された3人のうち、五郎助は甲板から倉庫に落ちて死亡。三吉の亡霊でも見たのか、狂ったように八蔵は自殺した。
人間、極限に達すると何をするかわからない。欲望という果てしないモノはここまで人間を狂わせるのか。ワンシチュエーションながら、恐ろしい心理を見事に描写していた。
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