日本のいちばん長い日(1967)のレビュー・感想・評価
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今の政治屋ども、せめてこれ観ろ!
負けを認めて戦争を終われせる。 そんな今の感覚で考えればごく当たり前の事を決めるのに なんでこんなに拘るのか!? 負けを認めて戦争を止めるとどうなるのか? あえて今の人に一番わかり易い表現をすると 「風の谷のナウシカ」の中で トルメキアが攻めて来て風の谷の住人に銃を向け 土地や物品や自由を奪って行く〜 あんな事が起こると思っているから止めるに止められ無い。 実際あんな生ぬるいもんじゃ無いけど〜 つまりは戦争は始めたら最後、降参しても 地獄しか待っていないって事ですね。 この映画の中で、 すでに死んでいった者たちに申し訳ないから 戦争を止めずに最後の一兵まで本土決戦するべきだと 言い張る兵士たち! 何だか今の官僚が 「一度始めた事業を止めると 前任者を否定する事になるから止められ無い」 みたいな論理で間違った事業を止めないのと 全くおんなじじゃないか!! 死んでいった者達に申し訳ないと本気で思うのなら 残された人たちを守るのがお前らのやるべき事ではないのか! 前任者が間違ったと思うのなら 正しい方向に修正するのが、後輩のやるべき事じゃないのか! 観いて怒りがこみ上げた! 「生きる方が大変なのだ!」と言い残して自決した阿南陸相。 軍部を暴走を抑えてスムーズに終戦を迎えるための 一種の人身御供であり、 三船敏郎が演じているのでカッコ良く見えてしまうが 確かに死ぬ方が、狡いかもしれない。 で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては 2015年の原田監督版も映画館で観てますが これはやはり別物としなければ 原田監督に分が悪すぎるでしょう。 何といってもこの映画は 昭和の名優がまだまだ現役バリバリの時代に作られてます。 つまりは実際に戦争を知っている人達や その空気の残る時代に育った人達がやってる訳で そこは緊迫感が違う。天皇への思いも違う。 そこはしょうがない。 逆に言えば、 映画の描く昭和二十年七月二十六日から 敗戦日である昭和二十年八月十五日までの空気感を リアルに感じられると思います。 超有名な映画ですが、そこそこ長いので 午前10時の映画祭の様な機会に映画館で観なければ これだけ様々な鑑賞手段の増えた時代でも なかなか手の出ない作品だけに 「午前10時の映画祭」運営の皆様に感謝です。 本当に面白かった!! @もう一度観るなら? 「一回は映画館で観とか無いとね〜」
終戦のための息詰まる机上の戦争。
『会議映画』と言うジャンルがあったら、間違いなくトップランク。現場から突き上げを食らって会議のメンバーの意見がまとまらず、最後は天皇に判断を仰ぐと言う体たらくは、ある意味日本人の国民性が出ていて面白いです。会議が静なら、近衛師団の反乱計画は動と言う感じで、終戦によって行き場がなくなってタガが外れた人間のギラギラしたエネルギーを強烈に描いているのが、岡本喜八らしいところですね。 最近リメイクされた作品はピントがずれていて、この作品の足元にも及ばず。
本当に長い一日
午前十時の映画祭で鑑賞。 74年前の日本。ここまで考えが違うのだとびっくり。 まるで宇宙人を見てるみたいに登場人物の気持ちがまったくわからなかった。価値観っていうものはあっという間に変わっていくもんだな。 日本が降伏を発表するまでの一日の出来事を描く作品。 終戦の日にこんな事が起こっていたなんて知らなかったと反省。もっとずっと前に学校とかで見ておくべき映画。 登場人物の表情豊かな顔をアップで写していく演出が印象的だった。見てる時はわからなかったけど、エンドロールで数々の名優達が出ていてはぁ〜となった。それぞれのキャラが濃かったもんな〜。 天皇の顔をはっきり見せず、手前の人物などで隠す描き方は当時の天皇という存在のあり方を表していて面白いなと思った。もしかしたら、映画を撮影した22年後でもそうだったんだろうか? いくつか喋ってる言葉の意味がわからない部分もあったが、 157分という尺で身をもって長い一日を体験した気になった。 一般の人の気持ちを描かない本作を見て、昔読んだ手塚治虫の漫画『紙の砦』で終戦に手を挙げて喜ぶ手塚少年の姿を思い出した。
The Longest Day
残された者は、生きて日本を再建しなければならない。 陸軍大臣を英雄視しているという批判的な見方もされるが、彼が放つ言葉は、重い。 阿南大臣、残された者たちは立派に再建を果たしましたよ。 政治的な戦後処理は棚上げにしちゃいましたが。 ノンフィクションをベースに、多元中継的に出来事を淡々と描く圧倒的なリアリティーと、緊迫のサスペンス。 橋本忍の見事な脚本と、岡本喜八のこだわりの演出。 なにより、役者たちが凄い。 豪華キャストが皆、渾身の力演。 海軍大臣:山村聰と陸軍大臣:三船敏郎の対立場面では、二人の役者の重厚な存在感が溢れ出ていた。 緊迫した場面が連続する中で、侍従役の小林圭樹が「そういうことなら、私が預かります」と、いつも通りとぼけた調子なのが笑えた。 アナウンサー:加山雄三が銃を突きつけられても要求を固辞する場面に、あの時代は民間人までも命をかけて職務にあたっていたのだと感じた。 別の場面で侍従たちが言う「日本を守っているのは、あなたたち軍人だけじゃない」 敗北の経験がない軍人たち、国のために死ぬことが美しいと教え込まれた若者たち。 玉音放送に涙する者たちの心情は、戦後世代が共感できるものではない。 決起した反乱者たちも戦争犠牲者だった。 もしこの時、本土決戦に進んでいたら、日本という国はなくなっていたんだろう…と思うと、重臣たちと昭和天皇の決断には感謝すべきだろう。 しかし、万一この大戦に勝利していたらと考えると、より恐ろしい。 また、この大戦が勃発しなかったとしても、日本帝国の軍国主義が継続していたことになる。 今の日本の平和は、300万人の犠牲者の上で成り立っているのだ。 戦争は放棄したが、幼児虐待やイジメによる犠牲者は後を絶たず、無謀運転や無差別殺傷などの理由なき犯行が横行する今の日本を、彼らはどんな思いで天国から見つめているのだろう… 横浜の民兵を煽り立てる隊長役の天本英世は、当時何歳だったのだろうか、既に歯がかなり抜け落ちてたなぁ。
戦争を考える映画
実はこの作品、リメイクは観ていますが本作は初見です。 『空母いぶき』の後これを観ると、『空母いぶき』だけ観て感動した人に、是非本作も観て、見比べて欲しいと思ってしまった。 戦争が綺麗ごとだけで終わる筈もないし、戦争を題材にした作品でその様な作り方は絶対にして欲しくないということを改めて実感しました。 ついでに最近話題になった北方領土の「戦争でしか取り返すしか…」とかの発言した若手アホ議員にも観せたい作品ではありました。 この映画の中で色々な立場の色々な言い分が出てきましたが、それぞれの理屈があり、例えば自分がどのタイプとかも客観的に考えてみてはどうでしょうかね。 それと、もし本作と『空母いぶき』を続けて観た方がいたとしたら、どちらの作品の方が“戦争”というものの実態が見えたか?、どちらの作品の方が心に刻まれたか?、是非比較して欲しいです。 戦争を実感として捉えた人間が作ったモノと、実感の伴わない人間が作ったモノとの差が如実に出ていると思いますよ。 しかし、見比べてつくづく感じるのは昔の方が圧倒的に自由に映画が作れた様な気がします。というか完璧に今の方が窮屈ですね。あんな忖度映画しか作れないのは、今よく言われる「コンプライアンスの弊害」なんでしょうかね。 戦争で狂うのは悲しいけど、平和で狂うのは哀しいですね。
分かりやすいしテーマが明確
脚本が整理されていてなおかつ人物に所属や名前が字幕でかぶさるので、ことの次第が大変わかりやすい。 それぞれの立場の違いというものも、誰に肩入れするではなく見ることができるので、非常に考えさせられる。視野の広い人狭い人それぞれに理があり国民として存在することの難しさ。時間が迫る中で手順を追わねばならず、見てて胃が痛くなるようなシーンの連続。 敗戦が決まっているのに出撃する児玉基地の特攻隊には涙がでそうになったが、戻った機も多かったようで少しホッとしたり。 しかし恐ろしいのは民兵?(学生)を率いる横浜の隊長だ。畑中よりもこちらの方に狂気を感じた。制限なく狂うのは、軍人よりも一般人なのかも
・前半の静かな動きを見ててお上のやることだもんなぁと眺めてたら、後...
・前半の静かな動きを見ててお上のやることだもんなぁと眺めてたら、後半の激しさに恐ろしくなった ・学校で教科書読ませるよりこの映画を観せてほしい ・笠智衆が登場するとホッとする。黒沢年男がクレイジー。とにかく配役全部完璧
評価保留です
ポジティヴに受け止めているのは確かなのですが、どう評価してよいのかわからなかったです。 例えば、言っているセリフがジョークなのか、皮肉なのか、シリアスなのか。 当時の状況をしらないと判断しにくい部分があったからだと思います。 そんなこと気にしなくてもいいのかもしれませんが。 映画としては面白かったです。
日本のいちばん短い日
終戦から22年後の映画とのこと。1967年であればカラーでも撮れそうだが敢えてモノクロにしたのだろうか。 8月14日から15日の出来事については少しだけ知っていたが、陸軍軍人をはじめとして登場人物が「天皇」と言ったり「天皇陛下」と言ったりする。考証としてはどうなのだろう。大幅な脚色はしていなさそうな印象ではあったが。 さてこの24時間が、日本のいちばん濃い日だったことは間違いないかもしれないが、当事者にとってはむしろ、いちばん短い日だったのではないかとも思える。それほど濃密な日だったことはひしひしと伝わってきた。この臨場感はやはり書籍だけからだと難しく、まさに映画の真骨頂だと思う。 一見無駄とも思える言葉選びに紛糾する会議に、意思決定の遅さや手続きの冗長さなどマイナス面の印象を持つ人も多いだろうが、騒乱にもかかわらず終戦決定からわずか一日で玉音放送まで無事こぎつけることができたのはむしろ驚異的な迅速さですらある。もう少し遅かったら北海道だけ東側の国になっていても不思議ではなかったのだから、結果的にはあの時点ではベストシナリオで推移したと言えるのではないか。戦後日本の命運を左右するまさに岐路の一日だったわけだ。 なんでもっと早く降伏しなかったのかと安直に思っていた時期もある。 だが戦争をやめるのがいかに難しいかということを改めて認識させる作品である。 誤解を恐れずに言うと、正直なところこれほど登場人物に共感できなかった作品も珍しい。今を生きる日本人と彼らはまったく別の世界に生きていたとさえ感じられる。にもかかわらずこれだけ見ごたえがあるのは、この作品自体の持つパワーと日本のもっとも濃い日の史実の重みによるのだろう。 君が代が流れたときこみあげてくるものがあった。そのとき、少しだけ彼らと繋がった気がした。
リトマス試験紙
何かを感じる=日本人 何も感じない=外国人 昭和天皇御自身もご覧になったというのが興味深い。 ... その時代を生きて辛酸を?舐めてきた人間たちが名優となって 図らずも演じることになった、という背景が名作を生むきっかけになったと 思います。 今の日本の若者も決して嫌いじゃないし、 この映画で感じる「今の若者の、昔の若者に比べての良さ」も分かります。 ただこれは実録動画のようで、映画とは思えない迫力があって、 きっと戦争の頃の日本は本当にこんな感じだったんだろうなという気持ちに なって、 ただ、その頃の時代というものが「見えた」ことが有意義だったと思います。 昔に習って、こうしろああしろ、という気持ちにはなりません。 単純に「何かを感じた」それだけです。 それが日本人である証拠なんでしょう。 ...
東宝創立35周年記念作品
高橋悦史が光る 黒沢年男は小物感、声がまだ渋くない。 陸相のハラキリは引っ張る、長い、介錯無用!おびただしい血。 森さんの首が飛んでびっくり。 横浜の将校がキレまくっててこわい、と思ったら天本英世なのね! 玉音放送にナレーションとテロップを被せて終わり。 大臣たちがホッとした時点でまだ午後11時、いちばん長い日はまだ半分しか経っていなかった。
椅子から立てなかった。
若い頃に見たときはサッパリ分からず、退屈で眠かった。 今見ると凄い映画だった。 あのころ私は未熟だったのだ。 この映画はまず 国体 の意味がわからないとわからない。 国体とは天皇を有する国の形・・・つまらん言葉で言うならば天皇制のことである。当時の人々にとってそれがいかに絶対的なものだったのか・・・ 映画全体の画面、演技、カメラワークは緊迫感にあふれたものであり基本的にはコメディ派の岡本喜八がいかに幅の広い監督かよくわかる。 しかし、緊迫の中にもコメディ的な要素が挟まれていて映画としての面白さを醸し出している。脚本がよくかけているだけに、ただ普通にとっていたら脚本負けする映画だったのを喜八が映画の面白さにこだわってこいういう風に作り上げたのだ。 これは岡本喜八の最高の作品の部類に入ると思う。
22年前の出来事
日本人の日本人に対する不信感、体裁や建前に雁字搦めになって、建設的な方向に自らを転換できない輩。どないもならん状態になって、君主制をブレンドしている価値がでる。現在においても天皇を戴くことに概ね肯定的なのも、日本人の糞詰まり状況を打開する鍵だと期待する旨があるからかも知れない。鈴木貫太郎は、陛下のご叡慮を引き出すのにうってつけだった。しかし、戦に展望があるか否かは、陛下でなくとも、誰でも見れば分かることだ。政治的決裁を国民自ら、ひとりひとりが取らない。上投げして、上目目線で推移を伺う。それではイカンのだ。 当時の役者陣はそれぞれの役を演じるにあたって、相当の気概をもって取り組んだだろう。割腹した阿南陸相を演じた三船の凄さは、阿南の名誉を十分回復したことだろう。この映画に出た役者陣すべてが、天本英世であっても、演じた役に対するリスペクトが感じられる。それもやはり時代なんだろう。
日本降伏をめぐる命懸けの攻防戦を描く骨太作品
総合:80点 ( ストーリー:80点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:60点|音楽:50点 ) 日本のポツダム宣言受諾に対して、現実的な考えで日本の降伏をしようとする派閥と、神国日本の国体維持のために民間人を含むさらに多くの人命を犠牲にして戦争継続をしようとする派閥との攻防を描いた骨太の社会派作品であり楽しめた。当時の一部の狂信的とも言える軍人たちの行動は軽い気持ちで観れるものではないが、どちらも命懸けで行動したし、その背景を観られるのは面白い。 2015年に再映画化されたほうを先に観ていたのだが、そちらの作品ではこの国家の運命を決める厳しい状況があるにもかかわらず主人公の阿南の人柄や家庭の話まで含めて描いていて、主題が散漫な印象だった。それに対してこの原版では降伏か戦争継続かをめぐる政治家と軍人の攻防のみを集中して描いているし、また時間も長いので状況の動きがわかりやすいく、その点においてこちらのほうが評価できる。 ただ古い映画ならではの端役のわざとらしい演技があったりするのは質を下げているし、1967年制作でまだ白黒で撮影しているのは残念ではある。
緊迫あるナレーション、タイトルがでるまでが超かっこいい! てっきり...
緊迫あるナレーション、タイトルがでるまでが超かっこいい! てっきりドキュメンタリー要素が強い映画だと思ったのですが、見ているうちにやや疑問符。どこまでが史実に基づくのだろう? すごい役者たちが多数出演。それだけで価値あり。笠智衆の、時に凄味、時に柔和な演技に圧倒されました。黒沢年男、うぜー!最後まで千葉真一だと思ってました(笑) 玉音放送をめぐってこんなすごい事件(宮城事件)があったこと、恥ずかしながら初めて知りました。本当にすべてが事実なんだろうね?変なフィクションが混じってたらちょっと罪だと思います。
●タイトルが言い得て妙。
そうだよね。そんな簡単に受諾できんわな。軍人たちは特に。 恥ずかしながら、こんな歴史があったとは知らなかった。ポツダム宣言を一度、断ってたりとか、宮城事件とか。連合軍も通達してから、原爆投下、大連合艦隊の本土上陸と二の矢、三の矢を用意してたとは。 この後に及んで、議会は踊る、されど決まらず。天皇が決断されなかったら、この国はどうなっていたんだろうか。たしかに、行くも地獄。帰るも地獄であったことは理解はできるが。 だが現代社会も、そんなに変わってない。誰も決めない。誰も責任取らない。そんな日本を先人たちは何を思うか。彼らに恥ぬ生き方をしたいものだ。 作品的には、前段で史実展開。いよいよ長い1日が始まる。ポツダム宣言受諾をめぐって鬼気迫る攻防。切った切られたが生々しい。
当時の軍人の気持ちも含めて歴史を興味深く学べる
8月15日が何の日かは知っているけど、そこに至る過程はよく知らない。 多少の脚色はあるんだろうけど、へえ~、そうなんだ~、と思いながら終始、興味深く観られた。 テロもそうだけど、私利私欲ではなく思想からくる行動力は本当に恐ろしい。 字幕がなかったら聞き取れなかった。 日本語も時代とともに変わることを実感した。
紅一点は新珠三千代
リメイク版がこの夏公開されているそうな。 しかし、映画の内容よりもキャストが魅力的。戦後の日本映画を支えてきた俳優たちの豪華絢爛な総出演と言える。 加東大介や中村伸郎といった脇を固める人たちにもそれぞれにドラマが与えられていてファンにはうれしい。 しかし、これだけたくさんの俳優が出てくるのだが、女性の出演はたった一人。鈴木貫太郎の家の女中として出てくる新珠三千代だけ。
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