日本誕生のレビュー・感想・評価
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オールスター国生み神話!
東宝映画1000本記念作品。
DVDで鑑賞。
倭健命の熊襲征伐や須佐之男の大蛇退治など、日本の国生み神話における有名エピソードをぎゅぎゅっと凝縮し、オールスター・キャストを擁して描いたスペクタクル大作。
「古事記」や「日本書紀」は未読なので単語は聞いたことあっても詳細を殆ど知らなかったこともあり、ダイジェスト的にまとめられていた本作は格好の入門編だなと思いました。
ダイジェスト、と云っても本編は3時間もあって結構長い映画だなと構えていましたが、全く長さを感じることなく、夢中になって観ていたせいかあっと言う間でした。
特撮ファンとして見逃せないのが、円谷英二特技監督による八岐大蛇の演出。後のキングギドラへと続く首の操演は、それぞれの首が意思を持ち動いているかのような滑らかさで、すでに円熟の域だなと思いました。スタッフがスタジオの天井に上がり汗水垂らしながら作業していたのだろうなと想像すると、今だ語り継がれていることを考えると、その労力は充分過ぎるほどに報われているのではないかなと思いました。
当時見たらとても贅沢な映画だったのだとは思います…が。
2020年に観ると、出演者の豪華さや演出効果のインパクトがいまいち感じられず、同時に、話も単調なうえに1つひとつのシーンがやたら長く、日本神話の何を伝えたい、というパッションのようなものを感じ取ることができませんでした。日本神話はこういうストーリーである、という教育映像としてはよいのかもしれませんが、この描かれ方では、せっかく日本神話を知っても、日本人であることやこの国土に生まれ育ったことを誇りに思ったりなど到底できず、かえって性格の悪い登場人物ばかりが目について、日本的な良心を持った人物はみんな死んでしまい、なんだか悲しくなりました。古事記にそう書いてあるのだから仕方ないと言われればそうなのですが、それを映像化しようというモチベーションが、どこにあるのか、分からなかったのです。
日本武尊を演じる、主役・三船敏郎さんの女装にぶったまげ
映画「日本誕生」(稲垣浩監督・円谷英二特技監督)から。
1959年10月25日劇場公開日とはいえ、
大物俳優の、学芸会ばりの演技を鑑賞するだけでも、
見る価値は大いにあると私は思う。(笑)
「原題:The Three Treasures」まで付いていて、驚いた。
さすがに181分の長編だから、途中「休憩」の文字が現れ、
この間に、フィルム交換をした様子が目に浮かび、楽しかった。
ストーリーは「日本武尊の波乱の生涯を中心に
日本の国造りをえがくスペクタクル」なのだが、やはり笑える。
私の住んでいる場所がロケ地だったという情報を得ての鑑賞だったが、
出演者には申し訳ないが、久しぶりに笑った「お気に入り」である。
日本武尊を演じる、主役・三船敏郎さんの女装にぶったまげて、
さらにその姿を見て「美しい、どこから来た、もっと近くに来い」と
引き寄せる俳優陣、よく笑わなかった、と感心させられる。
台本があるとは思えない、何度も息が合わない戦いのシーンや、
八岐大蛇(ヤマタノオロチ)をやっつけるシーンなど、
もうこれは、見てもらうしかないな、が本音である。
「この国で1番強い立派な男と言う意味」の「日本武尊」が、
何度も泣くシーンには、正直、ほっこりさせられた。(笑)
特撮あり、戦いあり、恋愛あり、笑いあり・・何でも有りのこの作品、
文句なしに、私の「生涯ベスト5」入り候補である。
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