新・二等兵物語 めでたく凱旋の巻

劇場公開日:

解説

おなじみ二等兵物語シリーズの第十話で、「新・二等兵物語 敵中横断の巻」の安田重夫の脚本を、「親バカ子バカ」の酒井欣也が監督した。撮影は「敵は本能寺にあり」の石本秀雄。

1961年製作/82分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1961年1月15日

ストーリー

オワイ屋の横田番作は一枚の赤紙によって中部部隊に入隊した。三ヵ月後、横田は初年兵教育係を命じられた。私的制裁を防止する方法としてその辛さを知っている二等兵の中から出したほうがいいという浅田見習士官の提案によってであった。初年兵として入隊してきた者の中に、親友の花岡茶吉とその使用人辺谷、釜田、北風、林らの姿を見出して横田はびっくりした。上等兵の服を着た横田は気を良くして初年兵を前に気合いの入った訓示を与え、激しい訓練を重ねていった。しかしへマをしでかす兵隊を横田は何かとかばってやるが、時にはそれがばれて意地の悪い中村、菅原、九堂等上等兵に焼きを入れられた。やがて、横田達は中支の最前線に出発した。方向を誤って敵軍の後方へ入りこんだ中隊は進退きわまってしまった。真田隊長は、決死隊を募り敵の火薬庫を爆破、その混乱に乗じて脱出しようと図った。その隊長が浅田見習士官と決まるや、横田と花岡は決死隊を志願、原住民に変装して敵陣にもぐりこんだ。運よく敵の司令官室に忍びこんだ二人は、陳少将と朱大尉を捕虜とし、陳と朱になりすまして運大佐、竜少尉ら敵の目をかすめ、女兵の陳芳来少尉に「火薬庫を爆破すれば両軍共に多大の犠牲を出す。その無駄をなくすため一時間だけ全兵隊を演習に出して日本軍を無事に通してほしい」と、熱心に説得した。しかし、この計画と二人が日本兵であることが、軍物資を横流しして自己の栄達を計っている運大佐一味の耳に入り、運は早速全兵力を野外演習に出したと見せかけ、一部の精鋭を密かに待機させた。「うまく事は運んだ」と、横田と花岡は陳と朱の体を自由にしてやり、喜び勇んで隊に帰ってきた。やがて、運の策謀があるとも知らず敵陣に近づく日本軍に、危機は刻一刻迫りつつあった--。

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